バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

雪の飛騨路をゆくバスの旅(1)@岐阜

2010-03-08 23:34:35 | ☆バスde温泉(東海・北陸)

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JR天王寺駅の南に隣接する近鉄大阪あべの橋駅は、近鉄南大阪線のターミナル駅であるだけでなく、ここから各方面へ高速バスが出発します。ここを発着する色とりどりのバスを眺めるのは、ワタシにとって通勤中の密かな愉しみでもあり、羨望の的。ようやくその羨望の的の中の人になることができました。

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近鉄バスと濃飛バスが共同運行している大阪・高山線は、あべの橋を皮切りに難波、梅田、京都、郡上八幡などを経由しながら高山に至ります。車はふそうのエアロ。8時ちょうどの濃飛バスでの旅立ちです。

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いつもは通勤の大阪市バスで通る谷町筋も、乗ってるバスが変わると景色も新鮮。運転士のアナウンスで、今日は雪のため到着が遅れるとの説明がありました。天王寺の駅でお弁当を買っておいてよかった。万一閉じ込められても飢えずに済むからね。

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梅田のあたりで雪がチラホラ。バスが阪神高速に乗ったらすぐに、かなりの雪になってきました。大阪市内でこれだったら、今から向かう高山はどんなことになってるのやら。

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名神高速の黒丸PA(滋賀県東近江市)で最初の休憩です。ここでワタシの靴の試運転を。この旅のためにあわてて購入した雪用の靴、調子は上々。雪の上を歩いてもしっかり安定している。相変わらずの激しい雪のせいで、彦根の手前ぐらいではノロノロ運転になりました。こんなときは慌てず騒がず、寝るに限る。ふと目を覚ますと、あの豪雪地帯の関が原をバスがスイスイ走っています。関が原で雪が全くないのはオドロキ。

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まだお昼には早いが、例のお弁当を食べることにします。水了軒の八角弁当は大阪駅名物のお弁当で、最近は天王寺駅でも販売しています。値段は張るけど、旅のお供はやっぱり駅弁でしょ。

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一宮JCTで東海北陸道に乗り換えて北上。しばらく進むと「なんじゃこりゃ」。車窓から妙な建造物が見えてきました。帰ってから調べてみると一宮市のツインアーチ138だと…高さが138mなので名称に138という数字が入っていますが、なんで138mかというと、いちみやだからとのこと。訳わからん。造ることのみが目的の公共事業っぽい臭いがします。

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郡上八幡あたりになるとさすがに雪が目立ってきました。並行する線路は長良川鉄道。この鉄道は旧国鉄越美南線で、国鉄の民営化時に赤字路線として第三セクターに転換した路線です。

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廃止の危機すらあるローカル鉄道を尻目に、この東海北陸自動車道は、4車線化工事の真っ盛り。潤沢な道路特定財源のお陰でこんな工事ができるのでしょう。鉄道すら維持が難しいのにこんな大工事、どこか間違ってると思うのはワタシだけ?さらに北上して、ひるがの高原あたりではもう一面銀世界。陽が当たると美しい雪景色が広がります。

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定刻より少し送れて高山駅に到着しました。やはり運転士の予想は正しいですね。ところがこうなると、乗り継ぎの新穂高ゆきの路線バスには間に合うかどうか微妙になってくる。急いでバス乗り場に行ってみたら、今まさに出発したところです。しかし未だ多くの乗客が積み残されていて、そのため続行便が出るとのこと。これは僥倖!長時間のバス待ちは免れました。

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しかしその続行便でも乗客を積みきれない。無理やり詰め込んだが、ワタシのほか数人は椅子がなく立って乗ることになりました。観光路線のバス(いわゆるワンロマ車)なので、つり革もなく、かなり不安定。最後の乗客のワタシは前ドアのあたりに立つことになりました。

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この状態で約1時間半の山登りです。普通ならテンションが下がる状況だが、ワタシにとっては絶好のポジション。車掌さんになったような気分です。究極のバスヲタ席なので、テンション上がりっぱなし。平湯を過ぎて、ようやく空席ができて座ることができました。

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今日の宿泊予定の福地温泉と新平湯温泉の旅館街を通りすごして栃尾温泉で降車。バスはこのまま新穂高温泉へ向かってゆきます。

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栃尾温泉のバス停で福地温泉へ向かうバスを待ちます。思いのほか温い露天温泉に浸かってしまった後、このバス停で福地温泉へ向かうバスを待つ間の容赦なく吹き付ける寒風…凍ってしまいそうだ。ようやくやってきたバスも福地温泉を経由しないとの事。これ以上待つのは本当に生命の危機になりそうなので、とりあえずこのバスに乗って、近いところから歩くことにしよう。

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福地口のバス停で降車。辺りには何もなく、山の中置き去りにされた気分で不安です。ここから雪道を歩くことになるのだが、なれない雪道を緊張しながら歩いたせいか、かなりしんどい。疲労と不安がピークになってきた頃、ようやく旅館街が見えてきました。

続く

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