それにしてもここ数年の夏は暑い。熱中症で実際に死者もでている状態です。大阪ではもはやエアコンなしでの生活は不可能な状態です。この際、涼しいところへ行って、体をキンキンに冷やしてみようかなぁ……てなわけで、旅の始まりは近鉄、難波から名古屋へ向かう朝7時ちょうど発の名阪特急です。
いささか早すぎる出発だが、デラックスシートに身を包まれていると、グッスリ朝寝。睡眠不足を解消することができました。
9時過ぎに近鉄名古屋駅に到着。ここでJRに乗り換えます。駅のホームではひっきりなしに特急列車が行き交っています。
朝から何も食わずに名古屋まで来たのは、名古屋名物の麺を食べたかったからですね。駅構内で見つけた立ち食いで、きしめんのきつね入りを食べてみました。カツオの風味がガンガン襲ってくるダシはかなりイケてる。昆布ダシ大好きの関西人にとっても、毎日は辛いにしても、たまに食うにはいい。冷凍の麺はコシもあり、トッピングの天ぷら類は通し揚げのよう。かき揚きしめんを注文した方がよかったと少し後悔です。
10時ちょうど発の長野行きワイドビューしなのに乗り込みました。車内はほぼ満席で、車内の乗客の風体から、ビジネス利用が多いようです。車両の383系は振り子式で、高速でカーブを通過することのできる構造。以前の381系では不自然な動作のため乗り物酔いが多発したが、新しいこの車両では振り子であることを感じさせない自然な動作です。
快適な乗り心地にまたしてもウトウト寝てしまいました、ふと目覚めて外を見ると、今まさに奇勝寝覚ノ床を通過しているところ。電車が高速なのでカメラの用意が間に合わず、ベストショットは逃しました。
ほぼ正午に松本駅に到着、高地のためやはり涼しい。長野県第2の都市であるとともに有数の観光地である松本市は、松本城周辺の中心街は、たいへん美しく整備されています。
駅からは100円バスのタウンスニーカーで市内一周。コミュニティーバスはこういう使い方ができて観光客に便利です。車両は小型ノンステ、日野ポンチョの旧タイプです。
松本城のあたりで昼食を摂ることにしました。長野なのでやはり蕎麦屋が軒を連ねています。適当に店を選び、山葵菜の蕎麦をいただきました。観光客目当ての店なので、あまり期待していなかったが、感動的って程ではないものの、そこそこ美味い。さすがに本場、蕎麦のレベルは高いようです。
屈指の美しさを誇る松本城は、日本最古の五重天守で、国宝に指定されています。白を基調とした明るく華やかな姫路城とは対照的に、黒が基調のその姿は凛としていて精悍です。
いっぽう、西側から見た姿は華奢に見え、意外な一面を見せてくれる。どこか頼りなく、はかなげな美しさを感じます。
松本城から10分ほど北に歩くと、重要文化財の旧開智学校が姿を現します。脱亜入欧が進められた明治の初期には、学校建築も洋風であることが推奨されていました。この松本に学校を設立する際、地元の大工の棟梁が見よう見まねでこんな立派なものを造り出しました。建築材料に廃寺の柱や梁が使われているなど、随所に和洋折衷が見受けられるとのこと。このような建築様式を擬洋風建築と呼ばれているそうす。
館内は資料館として公開されていて、昔の教室が再現されています。
展示品の中で特に目を引いたのが、戦時中の子供たちの絵。勇ましい絵は、聖戦完遂が声高に叫ばれていた当時の世相を反映しています。翻って、教育とは強力な世相を作ることができる。かなりの力を入れてこの学校を作った、明治の人たちの先見性は、良くも悪くも見事なものです。
松本駅に戻り、ショッピングセンターに併設された松本電鉄のバスターミナルから、路線バスで浅間温泉を目指します。松本電鉄は長野県の一大企業グループであるアルピコグループの中心企業で、松本と新島々を結ぶ鉄道と、松本周辺のバス路線を一手に引き受けています。最近珍しくはなくなってきた女性が運転する車両は、富士重工ボディーのイスズ車です。
浅間温泉は松本市の郊外にある閑静な温泉街。今夜はここで泊まることにします。
先日、バスde温泉de一人旅を私も楽しんできました。
金沢から輪島。ねぶた温泉に宿泊し、南惣美術館や時国家、窓岩、千枚田など、
路線バスで行ったりきたり。
いつもは相方の車でぴゅーっと移動するだけですが、
バスでの移動も楽しいものですね。
これからも相方を置いてちょこちょこ行ってみようかなと思いました。
毎度ありがとうございます。
バスは時間的な制約はあるけど、その無駄な時間を楽しむ贅沢さが楽しいんですよね。
ぜひまた旅立ってくださいね。