バスde温泉@大和八木~十津川村役場の続きです
奈良交通のシンボル、鹿のマークが誇らしげなこの車両は、大和八木・新宮間を走り抜ける、日本一長距離のこの特急バス用に造られた、日野の1ドア車です。
この種車は各地で走っているポピュラーな日野のHUだが、山岳路線のための高出力のエンジンを積み、小回りが必要なため車長はやや短めです。
また、空調もエンジン直結式ではなく、観光バスのようにサブエンジン方式。車内は2人掛けのシートが並び、補助席もある。しかしやはり路線バス…シートはリクライニングしません。
日本一の長距離を走る路線バスのため、整理券番号も100を越える。そのため、車内の料金表示もえげつないことになっていたが、最近、液晶ディスプレーに付け替えられて、かなり判りやすくなりました。
十津川村役場の南隣には道の駅があり、ここに無料の足湯があってマイカーで来る観光客の絶好の休憩場所になっています。そしてその2階には十津川産の蕎麦を使った蕎麦屋があります。
また、この近くにも、まるで民家のような蕎麦屋もあって、実は個人的にはこちらのほうが好なんです。
十津川村役場からは再び、よくぞこんなところに道をつけたと思うぐらいのV字渓谷を縦断する絶叫酷道区間。小型車同士の対向も覚束ないような道です。反面、エメラルド色の川に流れ落ちる滝や、春には花、初夏には新緑、秋には紅葉の絶景を楽しめます。
それでも、天候によりしばしば通行止めになるこの国道に業を煮やし、この区間をトンネルで一気に抜けるバイパス工事が始まっています。通行にも苦労が多いこの区間、反面、最も自然が美しい区間でもある。もし、バスがバイパスを走るようになるのなら、この景色を楽しめなくなりますね。
絶叫区間では、突然野生動物に出会ったりします。ある時、野生の鹿の家族が突然バスの前に飛び出してきました。キキー!!っと急ブレーキで避けると、難を逃れた鹿は谷底へ逃げていきました。運転士の苦労も多いが、鹿のマークのバスが鹿を轢いたらシャレにならん。
玉置山の登山口である折立の集落を過ぎると、エメラルド色の川が再び広がり、この街道三つ目のダム湖が広がります。前身は1864年創立の「文武館」である十津川高校(このあたりも「街道をゆく」参照のこと)を過ぎたら、バスは十津川の中心、平谷の集落にある「十津川温泉」に到着。
ここには奈良交通と十津川村営のバスターミナルとなっていて、ここで15分ほどの休憩があります。このバスターミナルの中にも温泉が引かれ、トイレの手洗いが温泉という、温泉好きにとって最高の贅沢が味わえます。
続く…
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