バスde温泉@十津川村役場~十津川温泉の続きです。
十津川温泉からさらに南下、熊野を目指します。
特急バスは午後の便だけなので、午前中に熊野に行けるのは十津川村営バスだけ。日野リエッセが主力の村営バスは、村民の通学や通院の重要な足を担っています。バスは狭い土地に民宿や旅館の建ち並ぶ蕨尾の集落の中を走り抜け、再び山間へ。
十津川の支流の先には十津川の源泉と、さらに遡ったところに上湯温泉があります。この秘湯が実にいい!
ここには十津川独特の人力ロープウェイ「野猿」が観光用に残されています。こんなもの、今では生活の手段として使うことはないが、これはあくまで観光用。いちど乗ってはみたものの、けっこうしんどい。毎日使ってたら相当腕力がつくでしょうね。
山肌の道をクネクネ走っていると、眼下に二津野ダムが見えます。ダムってそれ自体が高いところにあるのに、それをはるかに見下ろす位置にバスが走っている…高所恐怖症の人には耐えられないかもしれませんね。
まもなく急峻な山肌に、七色バイパスのニョッキリと立つ高架橋が現れます。七色の高架橋です。こんなところに壮大な構造物!日本の土木技術に脱帽。
七色の集落を過ぎると十津川村ともお別れとともに、そしてここから和歌山県、熊野路です。奈良と和歌山の県境を越えると、今まで荒々しかった流れが一転、川幅が広がり、穏やかな流れに姿を変える。それとともに、十津川から熊野川へ、再び呼び名が変わります。
さっきまでの急峻な景色とは一転、空が広がるにしたがって、なんだか神々しい気が満ちてきたように感じる。そろそろ熊野本宮です。大水害以前、熊野本宮大社はこの広々とした河川敷の中洲、大斎原(おおゆのはら)にありました。ここには現在、ニョッキリ屹立している鳥居のみが旧社地を示しています。
現在、西の丘に移設された本宮があり、多くの参拝者でにぎわっています。本宮のシンボル「八咫鳥(やたがらす)」は、神の使者で三本足のカラスで、日本サッカー協会のシンボルマークでもある。サッカーの日本代表のユニフォームにもこのマークがあるのはよく知られていますね。
石段を登っていくと本殿が現れます。社殿は大きいとはいえないが、ここが全国の熊野神社の総元締め。蟻の熊野詣の目的地です。
バスは熊野本宮の停留所を出ると、一旦国道168号線から別れて湯の峰温泉へ続く国道311号線の旧道の山道をクネクネ進みます。すれ違いの困難な細道ではあるものの、一般車のほとんどが新道を使うため、離合に難儀することはほとんどありません。
本宮大社から湯の峰温泉までは、「大日越え」と呼ばれる熊野古道のもあります。ある日、ここを気まぐれに歩いてみました。しかし、この道は山越えルートなので、日ごろの運動不足の身にはけっこう辛いものが…。それでも、美しい杉木立の中にところどころに社や石仏が現れる。まさしく世界遺産の古道!
バスが峠を下り、車内に硫黄臭が漂ってきたらまもなく小ぢんまりした温泉街が見えてきました。湯の峰温泉です。旅館の軒と軒の間をバスがギリギリ通り抜けたら湯の峰温泉のバス停。
目の前に小さいお寺と湯の峰温泉の元湯、そしてこの周りが湯の峰の実に小さな温泉街です。
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