奈良交通・十津川村役場BSから旧道を十津川に沿って上流に向かうと、川沿いの崖っぷちに身を寄せ合うように民家や郵便局、そして小規模な旅館が数軒建ち並ぶ武蔵の集落が現れます。この辺りが十津川温泉郷のひとつ、湯泉地温泉です。
温泉街のさらに上流に、1軒だけひっそりと佇んでいる吉野建ての建物が「やど湯の里」です。吉野建てとは、平地が少ない吉野山に適した建築様式で、道路から見ると2階建に見えても、実は3階建ての2階部分という、山の斜面に合わせた建築様式です。
案内された部屋は「太郎」の間。この旅館唯一の二間続きの角部屋です。眼前には十津川の清流がサラサラ流れています。
この旅館の夕食はお部屋でいただきます。清流の十津川ではやはり鮎が旨い。それとともに、飾り包丁が見事です。
料理の詳細は食べログで。
ここのお風呂は玄関から1階下のところ、ここが本当の1階の上流寄りのところにあります。内湯はいささか古びた感じではあるが、滔滔と満ちているお湯は、紛う事なく今まさに地中から湧き出てきた源泉です。澄明で無味だが硫化水素臭はかなりある。湯温が熱いので少しばかり加水しているが、ガツンと来る濃厚なお湯です。
露天は噂に違わぬ絶景です。こちらは少し温めなので長く入っていられます。こちらも濃厚だが、湯の花が目立ちますね。今物の温泉たる証左です。この日は時折大雨が降るような天候ではあるが、雨に打たれ、霧に包まれながら極上の湯に浸かる…これこそが自然と一体になったような感覚を味わえる貴重な体験です。
驚いたのは湯上りにひと皮めくれたように肌がスベスベになったこと。今まで数多くの温泉に入ってきたが、ここのピーリング効果は一頭秀でてます。十津川の清流の音に包まれて湯に浸かる至極。本当に癒されます。
・場所:奈良交通・十津川村役場BS
・泉質:単純硫黄泉 55.6度
・訪問日:2008年12月10日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます