世界遺産の熊野古道にも近く、古道を歩くハイカーに人気の川湯温泉。ここには某巨大ホテルグループが運営する近代的な大旅館もあるが、亀屋旅館は家族経営の小さな、しかしかなりの老舗旅館です。ここの母屋は旅籠の趣で、文化遺産に指定されているのも頷けますね。
この旅館のお料理は、実は料金が安いので最初は全く期待していなかったのだが、意外にも焼きたて、揚げたての状態でその都度部屋まで運んでくる手の込んだものだったので、以後、この川湯温泉にくるときには何度かお世話になっています。
ここのお料理は熊野の地物を中心に、健康に配慮した薬膳料理として仕立てられています。なので、山菜や川魚が中心。鮎は炭をくべた火鉢に差して熱々のほくほくで出してくれます。これがなんとも旨い。
茶碗蒸しはくりぬいた三宝柑を器にして蒸したもの。これは香りの高い絶品。
豆乳鍋は備長炭の蕎麦が特徴的だが、豚バラ肉がいささか脂っこい感がありましたが…
朝食はオーソドックスながら旨いし、さすが和歌山、梅干もいいもんを使っています。
この旅館では、寝具にはマットと敷き敷布団に糊の効いたシーツを丁寧に包んだうえにシーツに包まれた毛布と掛け布団を載せる…といった手の込んだ敷き方をいまだにやってくれる。枕はもちろん蕎麦殻。手間はかかるだろうが、これがいちばん気持ちいい。老舗のプライドを感じますね。やはり古い旅館のこと、床はギシギシ軋むし洗面の水の出も悪い。それより大きな問題は共同トイレが和式なこと。洋式に慣れきった者にとっては出るものも出ん!このトイレだけ何とかなったら、かなりいい旅館なのに…
- 場所:川湯温泉
文化遺産なのもうなづけます。
亀屋という名前も老舗ならではで良いですね^^。