豊肥本線・豊後竹田駅から路線バスで40~50分ほどのところ。長湯温泉は奈良時代初期の『豊後国風土記』に記述が残り、江戸時代には岡藩主中川家の御茶屋が建設されるなど、歴史ある温泉です。
街の中央に流れる芹川に沿って旅館や共同場が点在するとともに、ところどころに飲泉所が整備されています。特に河原にある露天風呂の「ガニ湯」の周辺には、情緒ある和風旅館が建ち並ぶが、そこには歓楽的要素は一切ありません。
長湯温泉は何と言ってもその泉質に特徴があります。そこここに湧きだす源泉の炭酸濃度、湧出量、温度が際立っていることから「日本一の炭酸泉」と言われています。
この「長湯温泉療養文化館 御前湯」は、長湯の温泉街の中心から芹川沿いに少し下流に下ったところにある、竹田市営の入浴施設です。
ドイツ・バーデンバーデン州バード・クロツィンゲンと友好都市となるなど、ドイツ流の温泉保養地を目指そうとしている長湯を象徴し、この建物もドイツ風を意識したモダンな建物になっています。
玄関にある飲泉口をはじめ、必ずお湯の出口に飲泉用のコップが置いてあり、飲泉が主流の欧米の温泉文化を一部取り入れようとしています。
館内ももちろんドイツを意識した造りで、家族湯や広い休憩所などかなり充実しているが、畳敷きの休憩室など、日本の共同湯の雰囲気も残っており、意外に違和感はありません。
この日の男湯は1F。曲線を生かしたデザインの浴槽に褐色、というかオリーブ色のお湯が掛け流されています。サウナの近くには冷泉があって、こちらももちろん掛け流し。
舐めてみたらここでも強い金気臭。舐めてみたら金気臭とともに若干のエグ味とシュワ感があります。さすがの炭酸泉、それほど熱くないのに身体がほかほか温まってきます。
露天は芹川に沿ったバルコニーのところにあって、眺望も抜群ながら、お湯の質も文句ない。朝の光が降り注ぐ浴槽にじっくり身を沈めていると、時間が止まったような気がしてきます。
・場所:大野竹田バス・長湯温泉BS
・泉質1:マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉 45.8℃
・泉質2:マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉 46.8℃
・泉質3:マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉 29.7℃
・訪問日:2010年1月26日
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