バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

竹瓦温泉@別府温泉(別府温泉郷)

2019-08-13 09:44:10 | 温泉(大分県)
別府温泉は、広義では別府市内にあるそれぞれ特徴を持ついわゆる別府八湯とされる温泉群をいいます。しかしそれとは別に、海に近い平地の部分、JR別府駅周辺の賑やかで数多くの旅館や飲食店が立ち並び市街地にある温泉に限定される場合があります。ここでいう別府温泉は、その狭義の温泉街です。

ここは、江戸時代の温泉番付にも登場する古く名泉とされてきた温泉地で、市内中心部を流れる流川の川沿いにいくつもの温泉が湧き出し、狭い地域に単純泉、食塩泉、重曹泉、重炭酸土類泉など多数の温泉が湧いています。

ここには旅館だけでなく、住民のための共同温泉も多数存在し、ここは観光客にも廉価で開放されています。その代表格が入母屋破風の外観を持つ別府市営の「竹瓦温泉」です。

別府を訪れたからにはここは外せない。初めてここを訪れたとき、写真のイメージからの想像よりずいぶん立派な建物で、矍鑠とした威厳に圧倒されました。

現在の建物は1938年(昭和13年)に完成したとのこと。中は1階中央に天井の高いホールが設けられ、西側に寄棟造平屋の砂湯、東側に平屋の男湯・女湯が配されています。お寺の講堂の様な立派さで、これから入るお湯への期待が高まります。

入浴料はたったの100円、驚くほど安いと感じるが、別府の市営温泉ではこれで普通だそうです。また、脱衣所と温泉とを仕切る壁はない、いけいけ状態。脱衣所で服を脱いだ後、掘り下げ式の浴室へ直接階段で降りていきます。

地元の人には無用だが、荷物のある旅行者には100円の鍵のかかるロッカーを使わざるを得ません。リュックを収め、鍵を廻すと100円がころーんと落ちていく…あ!…リュックにタオルを入れたままや!なにをやってんねやろ、興奮しすぎや…落ち着け・落ち着け!

さっきの100円はお布施と思って諦めて鍵を開け、タオルを取り出す。再び100円を投入して鍵を廻す…ふと左手を見たらしっかり財布を握っている……あぁぁぁぁ!!!

建物が立派なだけに、浴場も負けず劣らずかなり広く造られています。中央の浴槽には鶯色にくすんだお湯が掛け流されています。泉質は炭酸水素塩泉。やや熱めになっていてガツンときます。

舐めただけでは味や匂いは感じられないが、もちろん無粋な塩素臭もない。さすが別府、豊富な湧出量のおかげで、多くの人たちに供する共同湯でも天然の温泉が楽しめるのですね。

この竹瓦温泉のもうひとつの名物は砂湯で、浴衣を着て砂の上に横たわると砂かけさんが温泉で暖められた砂をかけてくれるとのこと。残念ながらこちらは未体験です。

驚くべきことに、ここでは男湯・女湯・砂湯のそれぞれの泉質が異なっていることです。さすが「おんせん県」を代表する温泉施設です。ただ、砂湯はともかく、女湯の泉質を体験することができないのが残念です。

100円では入れる温泉に、不覚にも400円も使ってしまったが、その分の元は余裕で取れる値打ちある温泉体験です。

・場所:JR別府駅 大分交通バス・別府北浜BS
・泉質1:男湯:塩化物泉(ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉) 53.8°C
・泉質2:女湯:炭酸水素塩泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉) 源泉温度:52.0°C
・泉質3:砂湯:炭酸水素塩泉(ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉・塩化物泉) 源泉温度:52.5°C
・訪問日:2008年5月11日

湯元山荘@湯の口温泉

2019-08-08 00:23:33 | 温泉(三重県)
JR紀勢本線・熊野市駅または阿田和駅から熊野市・御浜町広域バスで終点の瀞流荘BSまで乗り、そこから鉱山鉄道の廃線跡を活用した鉱山トロッコ電車で揺られること約10分。谷間の渓流沿いに鄙びた湯治宿のような建物が現れます。

三重県熊野市の旧紀和町にあった紀州鉱山の跡地にあるこの温泉は、開湯は約700年前、後醍醐天皇の指示でこの周辺の金山を開発した際に発見されたとされます。

その後、鉱山開発により温泉が一度は枯れてしまったが、1978年の鉱山の閉山後、ボーリング調査により地下1300mに源泉を発見し、1979年に湯ノ口温泉は復活しました。

この湯元山荘は小川の流れる谷あいに造られた小規模の建物で、山小屋のような簡素な造りで宿泊室もバンガロー程度。湯治もできるよう自炊設備も備えています。

浴場は内湯と清流の畔の露天からなり、温泉はもちろんどちらも掛け流しです。少し塩辛く、清澄なやさしいお湯で、内湯はいささか熱いが、露天は温度が低いので、長湯するにはこちらがいいですね。

この温泉では、最近になって新しい源泉を掘り当てて、赤い湯の花が舞うようになりました。それが一番よく判るのが貸し切りの家族湯です。家庭のお風呂のようで風情はないが、泉質は抜群です。

お湯の質もさることながら、自然豊かな環境や、坑道、トロッコの体験など、ファミリーにも楽しめるこの施設。いささか遠いものの、ぜひともお薦めしたい温泉のひとつです。

・場所:南紀広域バス・瀞流荘BS
・泉質:ナトリウム・カルシウム‐塩化物泉 45.7 ℃
・訪問日:2013年1月28日

新湯共同浴場@雲仙

2019-08-06 08:18:22 | 温泉(長崎県)
島原鉄道バス、長崎県営バス・雲仙お山の情報館BSからすぐ近く、宮崎旅館や九州ホテルなど、由緒ある高級ホテルや旅館の並びにひっそり存在する地元の共同湯です。

小さな民家のような建物の入り口にある自動券売機で1回100円の入湯券を買って中に入ります。基本、ここは無人のようです。

石張りの浴室に長方形の湯船があり、白濁したお湯が満たされています。温泉はすぐ近くの地獄から引いているらしく、少し硫化水素臭があるものの、浴感は意外にマイルド。

舐めてみたら酸っぱいので、火山性らしくやはり酸性のお湯のようです。石鹸やボディーソープの類は置いていないが、あったとしても意味を成さないですね。

運よく他にに入浴客がいないので、この自己主張たっぷりの名湯をひとり占め!地元・関西にはこんな火山性の温泉が皆無なのでテンション上がります。やはり遠くに来た甲斐がありますね。

・場所:島原鉄道バス、長崎県営バス・雲仙お山の情報館BS
・泉質:含硫黄-単純酸性温泉 51.2℃
・訪問日:2006年8月21日

小地獄温泉館@雲仙

2019-08-02 16:40:58 | 温泉(長崎県)
九州の代表的な避暑地であるとともに温泉街でもある雲仙の中心からやや離れたところ。島原鉄道バス・小地獄BSの近くの小さい旅館が点在する、いわば奥座敷のようなところにある共同湯です。

浴室には石張りのかなり大きな浴槽が設置され、建物のすぐ上の敷地からの源泉そのままで温度を下げた乳白色のお湯が掛け流されています。

よく見ると細かい気泡が立っている。それによって白く見えるんですね。無味で匂いの薄いお湯は、やや温めでシルキーな感触。実に柔らかいお湯です。

露天風呂こそないが、手作りの軽食もいただくことができる休憩所もある。ここは共同湯というよりは、ちょっとした日帰り施設ですね。訪れたのは平日の午前中だったのに、絶え間なく入浴客が訪れています。かなりの人気施設です。

・場所:島原鉄道バス・小地獄BS
・泉質:単純硫黄温泉 90℃
・訪問日:2006年8月21日

湯の里共同浴場@雲仙

2019-08-02 07:19:14 | 温泉(長崎県)
島原鉄道バス、長崎県営バス・雲仙BSのすぐ近く、温泉街から少し入った、住宅や個人商店が入り組んだ、古湯地区の一角にある共同浴場です。

ここは雲仙に3箇所ある地元の共同浴場のうちの最も古く、そしていちばん地元に密着した浴場。訪れたときも地元のオヤジさんたちが軒先で寛いでおられました。

浴室の中央にある小判型の浴槽は10人足らずが入れる程度の大きさ。やや深めの浴槽には乳白色のお湯が掛け流されています。よく見ると少し青みがかっても見えるのはアルミニウム、いわゆる明礬が含まれる所為でしょうか。

よく見ると湯の花が大量に待っています。匂いはやや硫化水素臭を感じるが、この辺り一帯がこの匂いで包まれているので、麻痺してしまってよく判りません。

舐めてみると独特の金気臭と酸味が感じられます。浸かっているうちに地中の成分が沁みてくるように感じるのは火山地帯の温泉特有の感覚です。

・場所:島原鉄道バス、長崎県営バス・雲仙BS
・泉質:酸性・含鉄・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩泉 44℃
・訪問日:2009年9月10日

旅館國崎@小浜温泉

2019-08-01 06:37:31 | 温泉(長崎県)
近くに雲仙というブランド温泉があるので陰に隠れてしまっているが、この小浜温泉も中規模の旅館が建ち並び、小さいながらも繁華街もある。なかなか立派な温泉街です。

小浜市街中心部より南側、長崎県営バス、島原鉄道・雲仙登山口BSから少し歩いたところにある「旅館國崎」は、小規模ではあるが、この界隈では老舗の旅館です。

「日本秘湯の会」の提灯を誇らしげにぶら下げているエントランスからは風格が感じられ、帳場の周りは古風ながら洗練されたインテリアに飾り付けられ、高級感が漂います。

一般浴室はそれほど広くない、ごく普通のお風呂だが、中のお湯はもちろんジャブジャブ掛け流している新鮮な塩化物泉です。この小浜温泉は湧出量が豊富で、しかも非常に高温。なので掛け流しには適した条件なのだが、加水して温度を下げる必要があります。

この旅館でも例外ではなく加水しているが、ここでは湧き水で割っています。天然の温泉に天然水、これも一種のナチュラルな温泉。加水で薄まってるはずなのに、それでもかなり濃厚なのは驚きです。

ここでは石風呂、檜風呂、露天風呂のそれぞれ趣の異なる三種の貸切風呂があり、空いていれば何度でも無料で利用することができます。貸切風呂が現在使用中であるかどうかは客室通路にあるランプで確認できるという面白いシステムになっています。

中でも露天風呂は大きく、独りで貸し切るのには少なからず後ろめたさを感じてしまうほどの広さ。もちろんここでも体が温まる塩のお湯が掛け流されています。湯上りに体を拭いても拭いても汗が噴き出してくる…寒い時期には最高でしょう。

このときは朝食付きのプランで宿泊しました。比較的栄えた市街にある小浜温泉では、夕食は街に出てみるのも楽しいですね。朝食は温泉水を使用した「くみあげ豆腐」自家製のお漬け物など、素朴ながら身体に優しい料理の数々が用意されました。

・場所:長崎県営バス、島原鉄道・雲仙登山口BS
・泉質:塩化物泉 105℃
・訪問日:2006年8月20日