「政治学者、PTA会長になる」岡田憲治作を読みました。作者はお嬢さんが小学校に入学され、PTAの会長を頼まれます。いざPTA会長になってみるといろいろな疑問が出てきて改革を始められます。無駄を徹底的に省き、PTAとはボランティアなのでできる範囲でやりましょうと、読んでいて拍手したくなるような発言があります。「ボランティア」というところに初めて気が付きました。私の息子たちが小学校へ通っていた時のことが思い出されます。3人も息子がいたので、いつかは何かの役をすることになるだろうとは覚悟していました。小学校の創立何周年記念行事でミュージカル「オズの魔法使い」をすることになり、友達から協力してくれるように頼まれました。喜んで裏方なら何でも協力すると伝えたら、何と主役になってしまいました。本にも書かれていますが、PTAの中にはいろいろな技術を持った方がおられます。ミュージカルをして実感しました。監督、台本を書く人、衣裳を作る人、音楽担当、照明担当、大道具担当、小道具担当、メイク担当などまるで本職?というような人たちでした。苦労はありましたが、協力してミュージカルを作り上げました。みんながしようと積極的な行事にはやりがいがありました。それを通じてPTAがまとまり仲よくなり、地域のこともわかりました。この本にも書いてありますが、意味が分からないものを役員が担当するのは不安であったり、肩の荷が重かったり、どちらかというとネガティブです。できる範囲でやればいいと最初から言われていればきっと気も楽だと思います。これはPTAだけでなく町内の役員などにも共通するものだと思います。最後にPTAにとって大事なことが書かれています。
- PTAは、自発的に作られた「任意団体」です。強制があってはなりません。
- PTAは、加入していない家庭の子供を差別しません。企業ではないからです。
- PTAに人が集まらないなら、集まった人たちでできることをするだけです。
- PTAがするのは、「労働」ではありません。対価のないボランティア「活動」です。
- PTAのボランティア活動は、もともと不平等なものです。でも「幸福な不平等」です。
- PTAの活動は、ダメ出しをされません。評価はたった一つ「ありがとう」です。
- PTA活動は、生活の延長にあります。家庭を犠牲にする必要はありません。
- PTA活動は、あまり頑張りすぎてはいけません。前例となって「労働」を増やします。
- PTAは、学校を応援しますが、指導はされません。学校と保護者は対等です。
- PTAの義務は一つだけです。「何のためのPTA?」と考え続けることです。
もうPTAは卒業しましたが、町内の活動もボランティアという意識でやればいいのだなと思いました。
2022-11-25(金) 図書館資料 請求番号:374.6/オ
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