「ブラックボックス」砂川文次作を読みました。第166回(2021年度下半期)芥川賞を受賞しています。主人公は自転車メッセンジャーの仕事をしていて、すごくスピード感あるなと感じました。スピードに追われているようで、前半は1日で読み終えました。そもそもブラックボックスとは?検索するとIT用語で、「中身がわからない箱」なのでブラックというらしいです。例えばGoogleの検索とかLineとか、利用はできるがその中身、システムのことまではわかりません。ホワイトボックスは、「中身がわかる箱」なのでホワイトと言うそうで、透明な箱のイメージです。サービスの中身が丸見えで、過程もすべて理解することができるものだそうです。ちょっと寄り道してしまいました。自転車メッセンジャーのサクマは器用に自転車を直します。切れやすい性格で仕事が長続きしません。同棲している円佳が妊娠して、ちゃんとしなくてはという思いと焦りで、事件を起こして刑務所に収監されました。良いところがあるのに最後に切れて堕ちていきます。前半のスピード感が徐々にゆっくりになったように感じました。やるせない気持ちになりました。
2025-2-5(水) 図書館資料 請求番号:913/スナ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます