「あきない世傳金と銀11」とうとう最新号です。図書館で借りようと予約していましたが沢山予約が入っていたので、買ってきました。期待を裏切らずに本当に面白かったです。今回は五鈴屋江戸本店開店丸8年を迎える朝から始まります。藍染の反物が飛ぶように売れました。知恵を絞って「買うての幸い、売っての幸せ」を目指して奮闘しますが、大火で江戸に大きな被害が出ました。幸い五鈴屋は被害なく助かりましたが、白生地が買い占められて高騰したり、被害の上乗せが起きました。そんな折、浅草太物仲間が強い結束力で結ばれて行きます。幸の大らかさが人々を変えていきました。そして勧進大相撲の力士の浴衣の注文を受けました。「勧進相撲」とは神社仏閣の建築修復の資金調達のための興行を勧進といって、そのための相撲大会です。女性は見る事が出来ません。浴衣の柄を何にするか、彫り方はどうするかなど新しいものを作り出すのには生みの苦しみがありました。苦しんだのちに素晴らしい浴衣が仕上がりました。「力士を想い、相撲を想い、買う人を想い、仲間を想う。何より浴衣地の行く末を想う。そうでなければ、考えつくことではない。」と相撲年寄りの注文主は称賛しました。幸が2度目に結婚した惣次は江戸で両替商の養子になり腕を振るっています。以前は冷たかった惣次も今は別人のように思いやりのある人に変わっていました。人は経験を通していくつになっても変われるのだと思いました。読後感が爽やかで気持ち良かったです。2月15日に「あきない世傳金と銀12」が発売されます。それで終わりになるのか、また続くのか、どっちにしても早く読みたいです。
2022-2-13(日) 所有本
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