図書館に行った時に花森安治さんの本が目に入りました。大昔、「暮しの手帖」の雑誌を購読してお料理や家事など教えてもらいました。花森安治さんの表紙絵が好きでした。懐かしくて借りることにしました。薄い本なのですぐ読めます。靴について、服装について、お酒の飲み方について、大阪の暮らし東京の暮らしについてなどが書かれています。大阪の女の人の服についてとても褒められていたので意外に思って読むとやはり単なる褒め言葉ではありませんでした。
ーこれはどうも東京よりずば抜けて洗練されている、垢抜けている、そういう服を着ている人が多いのですね。これはどうも東京にいますと、つい、上方とか、贅六とか、大阪人はけちであるとか、商魂が逞しいとか、ヤボったいとか、ごたごたしているということが定評になっていますが、その定評を頭の中に入れて、さて大阪の駅に下りますと、実際これはちょっと驚いたわけです。デザインは洗練されていますし、色の感覚も悪いわけではない。ー
とちょっと嬉しくなるのですが、まだ先があって、大阪漫才式にとは書かれていますが、「これで顔がなかったらもっといい」なんて落ちがあるのです。実際は顔のことではなく服装のことです。
また、大阪の女の人は冬はスラックス(パンツ)が多いらしいです。理由を聞いてみると「そら、冬は寒いから、しょうがあらへん」と合理主義に徹しているそう。最後に花森安治さんはこのようなことも書いておられます。他人の目の色を気にせず、着たり、はいたり、持ったり。何しろ短い一生涯なのですから、せめて着たいものくらいは着たいように着て暮らしたいと思います。賛成ですと声を挙げました。
2024-6-28(金) 図書館資料 請求番号:B/E/913/ハナ
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