友達に薦められて図書館で借りて読みました。作者の柏井壽さんは京都生まれの京都育ちで京都のことをよくご存じで、京都弁で書かれて親しみがわきました。東本願寺前の正面通りや法衣店が出てきて懐かしいです。元刑事の鴨川流さんとこいしさん父娘が「鴨川食堂」を営んでいます。お料理の名前を聞いているだけでもよだれが出てきます。食堂だけではなく食を探す「探偵事務所」もされていて、そこに様々なお客さんが来店されます。その方の求めているお料理を再現するお話です。人生模様あり、愛あり、流さんの洞察力に引き込まれます。清水焼、万古焼の急須や益子焼の土瓶、春海バカラ、古伊万里の長皿、スワトウ一片月のハンカチなどが出てきて小説を上品に格上げしているように思いました。流さん曰く、
「人とのご縁いうのは不思議なもんでしてな、出会うべき人には必ず出会うもんなんです。と同じように、ご縁がある方は間違いのう、ここまで辿り着かはります。あなたのように」
出会うべき人には出会えるので心配はいらないのです。
最後に流さんがこいしさんとお花見へ行くお話をされています。
「賀茂川の半木の道の枝垂れ桜が見頃やそうなさかい、地下鉄で北大路駅まで行こうと思うとる」
本当に半木(なからぎ)の道の枝垂れ桜は可愛らしくてきれいなので来年は行きたいなと思いました。
本当は一度書き終えたのに他の用事をしているうちに消してしまったようで書く気をなくしてしまいました。何とかかけて良かったです。今度はちゃんと保存します。
2021-9-21(火) 図書館資料 請求番号:B/カシ
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