10月の東映チャンネルの“傑作任侠スペシャル”の枠でOAされたものを録画視聴です
東映の職人監督小沢茂弘氏が村尾昭と共同で脚本を描いて
東映京都で撮影した鶴田御大の“博徒シリーズ”の二作目だそうで
舞台はそのタイトル通り明治中期の三池監獄がその主舞台になっています。
一応オープニングは日清戦争の勝利提灯行列に湧く下関
下関で土建業を生業とする瀬戸口組の親分が、同業の梨岡組の刺客に刺されたことで
出入りになり高千穂ひづる演じるまつと弟の山城新伍演じる文吉が梨岡を倒して
一人三池監獄に入所してくる
当時の三池監獄は富国強兵の明治政府の思惑もあって地域特産の石炭採掘が懲役業務でして
過酷な懲役環境にあるのと、九州で犯罪を犯した九州組と本土の名古屋から下関までで犯罪を犯した囚人と二分されてて
本土組を束ねていたのが鶴田浩二演じる大阪の高田一家の貸元立花猪三郎と
九州を束ねているのは大木実演じる門司の萩原組の兄弟分熊谷勇がとりしきっていた
門司の萩原組は下関に縄張りを伸ばそうとして梨岡組と兄弟となっていたものの
文吉のおかげで今は鳥飛ぶ落とす勢いで瀬戸口組の女親分まつをものともせずにいたのだったが・・・
三池監獄の炭鉱の中では九州と本土組とが正に娑婆同様にいがみ合っていたのだった
そんな中に里見黄門浩太郎演じる大阪の泥棒がいて
その妻が九州くんだりまでやってくるものの肺炎を拗らせてて
鶴田の女である南田洋子に助けられていた
三池囚人のそれぞれの私生活とか地域組の闘争対立を描く中で里見黄門様を脱走させたり
娑婆での瀬戸口組に対する萩原組との激しいせめぎ合いとかで文吉が命を落としたりと
刺青と石炭で真っ黒になってるふんどし一丁の男たちの裸シーンが多く
ある意味こんな作品見たことないような絵面ばっかだし
一応任侠路線のパターンが決まりつつあるものの
鶴田御大は全くこの後の任侠我慢劇とは程遠い
いつでもキレる性格でし出した
なんとクライマックスでの殴り込みには直接関係ないものの高千穂ひづるさんと一緒に殴り込みかけて
自ら再び三池監獄に帰っていくという作品だった
任侠映画黎明期であるし、金脈っていう位置づけから俊藤プロデューサーに加えて
当時京都撮影所長の岡田茂さんが製作とし名を連ねていたんですね
さてさらに年月を経て73年に小沢茂弘監督は鶴田浩二さんで「三池監獄 凶悪犯」を撮ってるんですね
これはようやっと東映70周年でパッケージ化されましたが
コチラの「監獄博徒」は未パッケージ作品なのね
1964年製作、日本映画、東映作品
村尾昭共同脚本、小沢茂弘共同脚本・監督作品
出演:鶴田浩二、大木実、南田洋子、高千穂ひづる、山城新伍、三島ゆり子、内田朝雄、山本麟一、里見浩太朗、北条きく子、天津敏
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