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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

2017-07-08 04:11:55 | 洋画
副題にもあるように、最近の戦争は戦地から遠く離れた本国の基地から
ドローンから送られてくる映像からモニターを見て
その映像をもとにドローンからミサイルを撃ち込むという、もうなんだろうな
ある意味TVゲーム感覚での戦争なんですが
モニターに写し出される映像は明らかに戦場の映像であり
ミサイルを撃ち込めば明らかに人が死んでいくわけでして
攻撃する側に、ある意味後ろめたさみたいな感覚がないのも事実なのかもしれない

この映画もまるで戦場となってる現地を本国の会議室や作戦本部
そしてドローンの操縦室と言う戦地から遠く離れた世界で攻撃を開始するかしないかを
判断する映画ですが、
なんだろうなぁもうオープニングからエンドクレジットまで実に緊張感の途切れない映画でしたねぇ

この映画の緊張感が途切れないのが実に巧みな人物配置とプロット、
オープニングで、ドローン攻撃の確実に犠牲になるかもしれない子供を登場させて、
彼女の生活環境を時間経過と共に見せていき、
その子供に対する感情移入を見てる観客にうながす点かな

その対極にドローンからの情報映像を駆使してモニター越しに多くを把握し、
作戦の指揮をとるヘレン・ミレン演じる作戦指揮を採る大佐なんですが
彼女も実は指揮権は攻撃に対してだけで彼女に作戦実行を命じるのは
イギリスの閣僚と官僚たちの会議室、そこにいるのは大佐より上級の中将
後は制服組ではないわけで
所謂シビリアンコントロールがしっかりと機能してるンでしょうか
「職業軍人」に比して、シビリアンコントロールと言っても
あれなんですね、いざとなると己では判断を回避と言うか、責任を回避することしか考えていないわけで
閣僚間のたらい回し

攻撃すれば子供は確実に死ぬ訳で、千載一遇のチャンスを子供一人で逃せないと
制服組は攻撃に積極的なんですが
戦闘に関しては民間人を攻撃すれば確実に軍法会議ということからか
単にいくらゲーム感覚であっても子供は撃てないって言う葛藤からか
ドローンの操縦士であるアメリカ軍の新米兵士は
攻撃の命令に従わざるをえないけども “良心” ゆえにちょっと抵抗をみせたりと

映画はいやが上にも緊張感をあおってくるので戦争映画というよりは
サスペンス映画を見てる感覚です
軍人は行動を起こすことを優先し、
政治家は自己保身から責任を避けようとし、
官僚は原理原則を唱えての三者三様の立場のぶつかり合う
そんな中でのモニカ・ドラン演じる女性官僚のなにがなんでも民間人の犠牲を防ぐという主張が正鵠なんですが・・・

敢えて何も言いませんが、ドローンの操縦兵の作戦執行から解放された後の
無力感にうちひしがれた表情がこの映画のすべてでしょうか
会議室で制服組中将をアラン・リックマンが演じていたのですが
どうやら遺作になったようですねぇ

2015年製作、イギリス映画
ギャヴィン・フッド監督作品
出演:ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、アラン・リックマン、バーカッド・アブディ、ジェレミー・ノーサム、フィービー・フォックス、イアン・グレン、ギャヴィン・フッド、モニカ・ドラン

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