にゃんこのヨガ的生き方

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のこされた動物たち 待ちつづける動物たち

2012-06-01 22:42:44 | 
本を借りてきました。

『のこされた動物たち』 『待ちつづける動物たち』
(いずれも、写真・著:太田庸介、飛鳥新社)

福島第一原発20キロ圏内に残された動物たちの写真と、
著者のコメントで構成されています。

『のこされた動物たち』は、事故後3ヶ月の間に、
著者が現地へ足を運んで、撮影した写真や目にしたことを記した本です。

『待ちつづける動物たち』は、事故から1年後の様子です。

2冊を比較して、状況は変わらないどころか、悲惨度を増しているのが判ります。

人馴れしている犬猫たちの中には、
ボランティアの人たちに保護された子も多かったようですが、
その機会に出会えなかった子たち、
見知らぬ人間に心を開かない警戒心の強い子たちは、
ボランティアの人たちが置く食べ物で細々と命をつなぎ、
或いは、つなぎきれずにひっそりと死んでいっています。

また、どこへ連れて行くこともできない牛、豚等の家畜たちは、
牛舎豚舎で身動きできないまま餓死したり、殺処分されたりしました。
当たり前ですが、狸等の野生動物も被災しています。

飼い主を待ち続けて、繋がれたまま息絶えた犬。
道路に落ちている、食べられて背骨と頭部だけを残した犬の遺体。
道路に横たわるミイラ化した猫の遺体。
飢えた果てにビニールを食べる牛。

非常に多くの人たちが被災しました。動物たちも被災しました。
被災したことに違いはありません。
大きく違うのは、生き残っても、動物たちは自主的に避難できないことです。
飼い主たちは連れて帰りたくても、避難所暮らしでは連れて帰ることができません。
引っ越した先の住宅事情が許さない場合もあるでしょう。
或いは、連れて帰る飼い主が、この世にもう存在しない場合もあります。

動物たちはものを言わないだけに、実情に胸をつかれます。

3/11以降、何も終わってはいないのだということを思い出させ、
自分には何ができるかを考えさせられる本です。
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