にゃんこのヨガ的生き方

毎日をゆったり、元気に機嫌よく暮らす

開拓者たち

2012-03-26 17:22:48 | 
『開拓者たち』を読みました(北川恵著、幻冬舎)。

口減らしのため「大陸の花嫁」として日本の寒村から満州に渡り、
満州開拓民の日本人と結婚した女性が主人公です。

満州での開拓、束の間の静かな暮らし、
ソ連侵攻、逃避行、帰国、那須での再度の開拓。
実際に満州にあった千振開拓団を経て、那須を酪農の地に変えた
人たちの実話を元に書かれています。

通勤車内で読み、駅から降りて会社へ向かう時、
それまで入り込んでいた本の世界からやっと抜けてきながら、
(私は何の心配も要らないところにいるのだった...)
と安堵したのを覚えています。

開拓民が耕していた満州の土地は、地元農民のものだったものを
日本政府が強制的に取り上げたこと。

開拓民として満州に入った人たちは、寒村の農家の次男坊、三男坊など、
日本で食い詰めた人たちが多くいたこと。

シベリアに抑留された人たちは、軍人だけでなく民間人も多くいたこと。

留用者と言って、戦争が終わった後も大陸に留め置かれた人たちが多くいたこと。

現在の那須の酪農は、開拓民の賜物であったこと。

恥ずかしながら、知らなかったこと、知ろうとしなかったことが多くありました。
この本を読むことで、欠けた箇所が埋まり、
おぼろげながら歴史の流れが見えるようになりました。

合わせてNHK BSで放送された全4話も観ましたが、
こちらは当時の映像や、開拓民・抑留者・留用者・
元関東軍軍人等の証言が多く盛り込まれています。

人は場所と時代に密接に関係しています。
どの国のどの時代に生まれるかによって、人生は大きく変わります。
困難にある時、失意の時。そんな時、
かつて夢と希望を失わずに生き抜いた人たちを思い起こしたい。
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