獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

正木伸城さんの本『宗教2世サバイバルガイド』その1

2024-01-15 01:43:26 | 正木伸城

昨年末の最後の記事で、次のように書きました。

友岡さんの言葉は、現在の創価学会のあり方に疑問を持つ人にとって、大きな力になります。
ネットを中心に創価学会に批判的な発言を積極的にしている正木伸城氏も、友岡さんから影響を受けた人の一人です。
今は亡き友岡さんを中心に、点と点を結び、面となって、創価学会を根底から改革する動きが始まることを期待しています。

 

正木伸城『宗教2世サバイバルガイド-ぼくたちが自分の人生を生きるためにできること』(ダイヤモンド社、2023.06)

この本を読むと、正木伸城さんが友岡さんの影響を受けていることが分かります。

(もくじ)
はじめに
1 教団の“ロイヤルファミリー”に生まれたぼくの人生遍歴
2 こんなときどうしたら?宗教2世サバイバル
3 自分の人生を歩めるようになるまで
4 それでも、ぼくが創価学会を退会しないわけ
5 対談 ジャーナリスト江川紹子さん 


はじめに

みなさん、こんにちは。 正木伸城(まさきのぶしろ)です。
本書を手にとっていただきありがとうございます。

この本は、あなたのためのサバイバル処世術ガイドです。
ぼくが宗教2世として、しがらみや困難を乗り越えるなかで得た、ありったけの知見をここに込めました。

みなさんは、宗教2世というと、どのようなイメージを抱くでしょうか。
2022年に統一教会問題が注目を集め、宗教2世の被害が広く知られるようになりま した。なかには、虐待と受けとれるものもあります。
そうした環境で、いまも昔も、少なからぬ宗教2世が苦しみを抱いてきました。
そのため、宗教2世は現在、「かわいそうな人」だったり、好奇の目で見られる傾向にあります。

ぼくは、そのような人の気持ちを少しでも軽くし、彼ら彼女らが将来にたいして、より多彩な可能性を抱けるようにと願っています。
宗教2世のなかには、教団や親の影響で自分の未来を制限されている人がいます。一般家庭ではあり得ない苦労をしている人もいます。
ぼくの経験でいえば、こんなことがあげられます。

・信仰活動の影響で親から厳しい躾を受けた
・一般社会と教団の価値観のズレに苦悩した
・信仰が原因で友人関係に摩擦が生まれ、失恋も体験した
・進学先の制限や転職の困難に直面した
・信仰上のことで気をもんでうつ病を発症した
・教団の理想と組織の現実との間で葛藤にさいなまれた
・信仰をめぐって親と大喧嘩した

正直、けっこう悩んできました。
自分の人生や出自を100万回くらい呪ったと思います。

とくにぼくは、大学卒業後は新卒で宗教団体の職員となり、約13年間そこで働きました。そのため、宗教団体をやめて転職すること、またキャリアアップをしていくことが文字どおりの「死闘」になりました。
でも、いまは好きな自分で、好きなことをして生きています。宗教2世のサバイバル術が活きたのです。
ぼくは、信仰活動も手放しました。

読者のみなさんには、そんなぼくの人生、宗教2世の生きづらさに苦しんだ数々のエピソードと、そこで編み出した生存戦略から、いま・ここをうまく生き延びるヒントをくみとっていただけたらうれしいです。

ここで、お断りをさせてください。
ぼくは所属教団を代表する人間ではありません。本書でしるす経験が、教団の内実すべてを表すわけではありません。
本書に出てくる話は、基本、ぼくという信者の一事例です。おなじ宗教2世であっても、体験や感情は個人によって異なります。ここは押さえておいてください。
また、各章に出てくる話に凄惨さを感じたからといって、「だから、この教団は悪だ!」と断定してしまうのも、道理として違っていると思います。
ぼくには、「信仰から離れましょう」「脱会しましょう」というように、読者のみなさんを特定の進路にみちびきたいという意図もありません。
宗教2世といっても状況はいろいろです。ドロップアウトが正解とはかぎりません。生き方は、多彩であっていい。

くわえて、本書でまとめたぼくのサバイバル術は、決して“万能薬”ではありません。宗教2世の読者のなかには、本書を読んで「そう簡単にはいかないよ……」と感じる人もいるでしょう。
宗教2世の苦しみには、容易に解消されないものがあります。ハウツーではどうにもならない、一筋縄ではいかないものもある。ぼくも、そのことは自覚しています。
それでも、なにもいわないよりは発信したほうがいいと思って筆を執りました。

ぼくの願いは、ただただ宗教2世の人々が、おのおのの事情に即して、自分にとって最適な道を歩んでほしいということ、それだけです。
みずからの人生を、みずからの手でハンドリングしてほしい。
もしもあなたが、教団や親などが「よし」とする人生に合わせて無理をして生きているのだとしたら、一度立ち止まって考えてみることも大切かもしれません。

あなたの人生は、教団のものでも、親のものでもなく、あなたのものです。
あなたは、あなたの本音で生きていい。

この書籍がそのきっかけになれば幸いです。
前置きはこれくらいにして、本題に入りましょう。
終章でみなさんと再会できるのを楽しみにしています。

 


解説
本書は、悩める「宗教2世」に対して書かれた本なので、私のようにすでに脱会した者には、必要ない部分が多いです。

次回からは、そのような部分を省いて、正木伸城氏の内面に迫る部分を選んで引用してみたいと思います。


獅子風蓮