獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

正木伸城さんの本『宗教2世サバイバルガイド』その14

2024-02-05 01:46:54 | 正木伸城

というわけで、正木伸城『宗教2世サバイバルガイド』(ダイヤモンド社、2023.06)を読んでみました。

本書は、悩める「宗教2世」に対して書かれた本なので、私のようにすでに脱会した者には、必要ない部分が多いです。
そのような部分を省いて、正木伸城氏の内面に迫る部分を選んで、引用してみました。

(もくじ)
はじめに
1 教団の“ロイヤルファミリー”に生まれたぼくの人生遍歴
2 こんなときどうしたら?宗教2世サバイバル
3 自分の人生を歩めるようになるまで
4 それでも、ぼくが創価学会を退会しないわけ
5 対談 ジャーナリスト江川紹子さん 
謝辞
宗教2世の相談窓口

3 自分の人生を歩めるようになるまで

□目の前の前提を疑ってみよう
□自分の頭で考える方法1 前提を客観的に把握する
□自分の頭で考える方法2 前提を疑って批判する
□自分の頭で考える方法3 新しい言葉で語り直してみる
□それまで受けてきた“束縛”から自分を解放する
□自分の頭で考える基盤となる自信のつけかた
□まずは、自分にやさしくすることから、はじめよう
□あるがままの自分を受けいれてくれる相手と語らう
□「自分がほんとうにしたいこと」をやってみよう
□人・本・旅を通じてさまざ まな価値観にふれる
■教団以外に自分の居場所をつくっていこう
■悲しみを共有できる友をつくろう


3 自分の人生を歩めるようになるまで

 

教団以外に自分の居場所をつくっていこう

最後に、みなさんにこれだけは伝えたいという言葉があります。
宗教2世のなかでも人によってビビッドな悩みとなる「自立」にかんする箴言です。 自立とはなにか? どうすれば自立できるのか?
それにたいし、脳性まひの障害のある小児科医・熊谷晋一郎氏はインタビューのなかで、こう答えています。

「自立」とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。「依存先を増やしていくこと」こそが、自立なのです。

自立というと、なにかに依存する態度を手放すというイメージを抱きがちですが、熊谷氏は「そうではない」といいます。
そもそも人間は、人や物などに依存せずに生きていくことはできません。とくに障害者である熊谷氏は、それを痛感してきました。
彼は当初、頼れる存在が親しかいませんでした。だから、「親を失ったらどうなるんだろう」という不安がつきまとっていました。
ところが、やがて一人暮らしをしてみると、「友だちや社会など、依存できる先を増やしていけば自分は生きていける。自立できるんだ」ということがわかってきたといいます。依存先が増えたことで、かえって自立的に行動できるようになったのです。
障害の有無にかぎらず、この話には、普遍性があるとぼくは思っています。

宗教2世のみなさんにも、ぜひ依存先を増やしていってほしい。
自分の居場所をたくさん見つけてほしい。

そう、切に願います。
依存先には、さまざまなものがあげられるでしょう。
家庭や職場がそうなる場合もあります。友だち関係、趣味のサークル、SNSのつながり、宗教2世の自助グループ、NPOやNGOの類いなどなど、その種別は数えあげればキリがありません。
たくさんの足場をもってください。
そして、安心できる場所を、居場所をつくってください。
しかも、できれば「ここ『こそ』がわたしの居場所だ」というのではなく――それは、そこが唯一無二で、そこにしか居場所がないという危うさがあります――、「ここ『なら』大丈夫」「ここ『なら』いつづけられる」というしなやかさをたたえた、複数の依存先をもってほしい。
それが、あなたの心に安らぎをもたらすでしょう。

 

悲しみを共有できる友をつくろう

熊谷氏はインタビューのなかで、こうも語っています。

「自立」と「依存」という言葉の関係によく似ていますが、「希望」の反対語は「絶 望」ではないと思います。絶望を分かち合うことができた先に、希望があるんです。

あなたは、絶望を一人で抱えこんでいませんか?
絶望は孤独のなかで生まれます。孤独は、できれば避けてほしい。
そのためにも、悲しみや苦しみを共有できる友を、そして居場所を、依存先を見つけてください。
そうすれば、きっと、あなたは、宗教2世として、豊かなつぎの一歩を踏みだせます。なんだか、本章はお願いばかりの文章になってしまいましたね。偉そうですみません。
ともあれ、「お互いさま」の精神で、それぞれが歩みの足音を響かせていけたらうれしいです。その足音で互いを勇気づけ合いながら進んでいけたら、ほんとうにうれしい。
最後に、読者のみなさんに哲学者ヴァルター・ベンヤミンの言葉(『ヴァルター・ベンヤミン著作集14』〈晶文社〉より)を贈ります。

夜のなかを歩みとおすときに助けになるものは橋でも翼でもなくて、友の足音だ、と いうことを、ぼくは身にしみて経験している。

 

 


解説
今回、詳しく引用していませんが、各項目それぞれ、自分の頭で考えて、自分で自分の人生を生きるために必要なことばかりです。

興味のある方は、是非本書を購入してお読みください。

 


獅子風蓮



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