以前、増田のおばあちゃんに関連して、有料サイト「すたぽ」の紹介をしました。
音声記録のみの【友岡講演2】ですが、これがなかなかいいんです。
友岡さんの貴重な、生の声が聴けます。
この講演の最後の方に、おそらくこの増田のおばあちゃんのことを話しているところがあります。
感動します。
というわけで、反訳をこころみましたので、かいつまんで要約をお届けしたいと思います。
Salt87 -【友岡講演2 6/8】 ハンセン病(2021年7月29日投稿)
すたぽ「友岡講演2」(6)ハンセン病
一人の人間の力には限りがあると言われるが、 いつも困難な時代を拓いてきたのは、一人の小さな革命である。
何者にも負けない、屈しない。
本当の力とはどこから湧き出でてくるのか?
友岡雅弥氏が所属する団体において講演された貴重な音声を8回にわたって連載させて頂きます。
今回は第6回目です。
(文章は適宜要約してあります)
ハンセン病の話。らいです。らい病。
らい病というのは差別語ちゃうんですけど、ほとんどの人は差別用語と思ってますんで、らい病という言葉は今日使わないようにします。
ホントは、ハンセン病の方が差別的な言葉なんですよね。
厚生省が無理やりハンセン病という言葉を使わせます。
多くの人がハンセン病が差別用語でなくてらい病が差別用語と思っている。
で、まあ今日はハンセン病という言葉を使っておきます。
で、このハンセン病ですけど、昭和30年より前の生まれの方、この病気、移ると思っています。治らないと思っています。業病やと思っています。
で、昭和40年よりあとの生まれの方、ほとんど知りません。
不思議ですね。
昭和20年代後半から30年代に何があったか。
そんな凄まじい病気だったら、みんな覚えているでしょう。
それ以降も発病者は、年間50人くらい出てるんですから。
昔から今もずっと、日本におけるハンセン病の発病は、ずっと変わらず50人くらいおるんですから。
それやったら、昔は怖い病気や怖い病気や。
今も怖い病気のはずでしょ。
なぜかしら、昭和30年以前の方は怖い怖い。
昭和40年よりあとの生まれの方は、知らない。
何があったかという話。
ご存知のように、一昨年まで、一昨年の3月31日まで、1953年(昭和28年)にできた、「らい予防法」というのが、一昨年の3月31日まであった。
この法律によって、ハンセン病になったら、何才でも、たとえば4歳の子どもでも……一生涯、両親とも口を利くことができない。隔離されたわけですね。
で、女の子のほとんどは子宮を取られてしまう。
男の子のほとんどは、断種手術で子どもを産めない体にされて、戸籍を抜かれたりして、二度とお父さんお母さんにも会えないような形で、そういうような所に入れられたんですね。
こんなことやったの、日本だけです。
アメリカでもイギリスでもインドでも、ハンセン病の人は普通に生きています。
みんなと一緒に生きています。
なぜか、移らないんです。
人間から人間に感染する力の、一番弱い病気の一つなんです。
人間から人間には、まず移らないんです。
特効薬がありまして……だいぶ前にできた。
この特効薬をバーンて刺せば、ハンセン病の菌がすべて死滅します。
だから、そういう所に入れられた人は、無菌者です。
一番安全です。
菌、持ってない。
むしろ我々の方が、菌ある。
なぜそんなことが起こっている。
世界のどこでもやってないような、こんなわけのわからないことがなぜあったのか。
これ、調べたらすぐ分かります。
その当時の保健の教科書を見たらすぐ分かります。
昭和20年代中盤の。
「衛生的生活」っていうのがあるんですよ。
衛生的な生活ね。
冷蔵庫、洗濯機、きれいな台所。
そういうきれいな生活をしていたら病気になりません。
伝染病にもかかりません。
それに対して、「不衛生な生活」。
それは、新婚から起こります。
貧乏やったら病気になるぞ。
病気の例として、伝染病や「らい」って書いてあります。
嘘です。まったく嘘です。
ハンセン病は、所得に関係なく、でます。
高所得者も、ふつうにでます。
まったくの嘘です。
つまり何をしようとしているかというと、金儲け。
ちょうどそのころ、高度経済成長。
金儲けは幸せやぞ、お金あったら幸せやぞ。
貧乏やったらああなるぞ。
こういうマインドコントロールしようとしたんですね。
東京大学のわけのわからん教授と、自民党とが結託して、そういうでっち上げを作っていったんです。
これ、犯罪です。
国際司法裁判所で犯罪扱いされているんです。
我々日本人が知らないだけで。
それで、なぜハンセン病がそういう風になったかというと、他の病気と違って、ハンセン病は外に出ますからね。
末梢の運動神経、知覚神経が侵されて、目が小さくなったら、血流がいかなくて腕が細くなったりしますから。
外に出ますから。
だから可哀想に、ハンセン病の方々は、
「貧しかったらああなるぞ」という、そういうふうなモデルにされた。
だから、らいのハンセン病の島に連れて行かれるときには、たとえばぼくの知っている4歳の男の子の例は、こういう前と後ろにプラカードをかけてね、
「危険、触ると移ります」
「近づくと移ります、ぼくはらいです」
こういうのをぶら下げさせられて、村の全ての道を歩かされたんです。
で、人々の心に、
「ハンセン病は怖い」
「貧乏やったらああなるぞ」
こういうのを植え付けた。
「金持ちは幸せ」
「衛生的」
いまだに衛生観念っていうのありますね。
「抗菌グッズ」っていうの、ものすごく怖いんですよね。
「抗菌グッズ」っていうのは、できるだけお子さんには触らせないほうがいいですよ。
人間には善玉菌っていうのがあるんですね。
人間の皮膚には、1ミリあたりだいたい10万~100万、いい菌が住み着いているんですよ。
「抗菌グッズ」っていうのは、これも殺してしまいますからね。
これが死にかけたら、この死体を体内の白血球が、悪者と思って攻撃し始めるんですよ。そのときに、例の、活性酸素が出るんですよ。
で、発がん、がんになってしまいます。
だから、できるだけ、皆さんのお子さんから、「抗菌グッズ」はできるだけ避けた方がいいですよ。ぼちぼち言わなくなったでしょう。
「抗菌、抗菌」って言わなくなったでしょ。
厚生省が、ぼちぼち注意しているんですよ。
できるだけ「抗菌グッズ」は避けた方がいいです。
菌とともに生きていくのが、ほんま正しいんですね。
で、先ほどと話に戻りますけど、
「衛生的やったらハンセン病にならない」と。
神谷恵美子さんていますね。
「知ってるつもり」で紹介された。
キリスト教の医者です。
神谷さんがね、
「ハンセン病うそ。厚生省のでっち上げ」訴えた。
でも、女性のいうこと、まったく取り上げてくれなかった。
で、仲間の医者に相談しても、東京大学の。
まったく耳傾けてくれなかった。
だから、彼女は、有名な、瀬戸内海に浮かぶハンセン病の島に行ったんですよ。
そこで、治療活動をした。
神谷恵美子さんの日記が残っているんです。
それ読んで感動しました。
すごい人やな。
キリスト教の信仰持って、すごいなと思いました。
創価学会入信する前です。
その日記にこう書いてあるんです。
自分がほんまに、逃げそうになる心をキリスト教の信仰によって日々闘いながら治療活動にあたってきた。
しかし、この島の人々、患者さん、自分よりもっとひどい立場にある。
その中で、自分の過酷な運命をはねのけてみんなのために闘っている素晴らしい人々がいる。信仰を持った人々がいる、って書いてあるんです。
それみて、えっ、て思ったんです。
なぜかっていうと、厚生省が発表している資料によりますと、この島で信仰を持っている人は、神谷さんともう一人患者さんは、一人キリスト教って書いてあるんです。
あとは信仰を持っている人はゼロ、って書いてあるんです。
キリスト教一人ってだけ。
それなのに、その島に行った人の日記には「人々」がて書いてあるんです。
京都大学はそれに反対したんですね。
京都大学にいけば何か資料があるんじゃないかと思って行ってみたんですよ。
分かりました。「人々」の正体が。
創価学会員が30%くらいいるんですよ。
28%いるんですよ。
創価学会員なんです。
その島まで行きました。
もちろん入れてくれません。
一昨年の3月31日までは入れてくれないわけですよ。
で、対岸の人に聞きました。
いろんな人に調査したら、学会員のご夫妻がいた。
自分の知り合いがそこに連れて行かれた。
あまりにもむごい。
それで、本見た。
本には移るって書いてある。
しかし、ちゃんとした医学事典、岡山大学の医学部に行って調べてみた。
そうすると、移らないって書いてある。
嘘ですよ、こっち。
で、厚生省に陳情に行った。
まったく受け入れてくれない。
そうしたら、自分らで行くしかない。
夜に、船で渡っていった。
こっそりと、その人を励ましに行ったんです。
そうすると、みんなびっくりした。
__怖くないんですか。
__移ると思わなかったんですか。
いや、移らないんでしょ。
ちゃんと調べたら、移らないって書いてありましたよ。
__ああ、よくあなたは偏見を持ちませんでしたね。
__素晴らしい。
って、みんな学会人。
もちろん、役人の方は、それ見て見ぬふり。
ホントは、訴えたら、その二人は「らい予防法」違反になってしまう。
だから、訴えずに……公認ですよ。
約3割が学会員です。
ああ、すごいなと思って。
自分は、自分なりの正義感みたいなもので、戦争、ハンセン病……
行ったらいつも創価学会に先回りされている。
負けてばかり。
またここも創価学会か、ここも創価学会か。
勝つ方法は一つしかないって思ったんです。
入るしかない。
【解説】
「らい予防法」というのが、一昨年の3月31日まであった。
という記述がみられます。
Wikipediaによると、「らい予防法」は
__1953年8月15日に公布され、1996年4月1日に廃止された。
とありますから、友岡さんのこの講演は1998(平成10)年のものだと分かります。
(ハンセン病患者の)約3割が学会員です。
ああ、すごいなと思って。
自分は、自分なりの正義感みたいなもので、戦争、ハンセン病……
行ったらいつも創価学会に先回りされている。
負けてばかり。
またここも創価学会か、ここも創価学会か。
勝つ方法は一つしかないって思ったんです。
入るしかない。
阪大でインド哲学を学んだエリートが、牧口先生やハンセン病療養所のある島のことを学んで、創価学会はすごいと感じ、負けたと思った。
そして「勝つ方法は一つしかない」と思って、入信したと。
ずいぶん変わった入信動機ですね。
友岡さんってもしかしたら「勝ち負け」にこだわる人だったのかもしれません。
獅子風蓮