冬薔薇一心腐乱といふ言葉 三寒四温人間の首ごろんとあり いっぺんに年改たまるアレッポの空 神のいない神田神保町暮早し 泥から生まれ泥に帰りし寒暮かな 布団干す大日本帝国短命なり 寒茜男娼二人撃たれけり 雪明り「戦争をください」の落書あり 捨てられてもまだ生きている毛糸玉 ストーブの爆ぜて老犬寄せつけず
殉教の日の続きをり初暦 初暦岩戸開きの日はないか 正岡子規はまだ生きている初暦 初暦みんなで捲れば怖くない 身代金は2億ドルなり初暦 どこまでが日本の空元始祭 古本屋パールハーバーの日は半値なり 日本の冬なり大艦巨砲主義 日本のAKB48淑気満つ 初刊本の急騰春は遠からじ
昨日が大寒だったが翌日の今日の方が断然寒い。終始どんよりとした天気が続き、日中6度までしか上がらなかった。明日も全く同じ状態が続く。今夜は氷点下まで下がり、まだこれから早朝まで室内での仕事が待っている。当然エアコンは点けっ放しだが、28度でもまるで効かない。明日は新たに2ヶ所の通院の開始日である。早目に済ませて少し足を延ばしてみたい。 イスラム国に冬ではない冬がある まほろば
たんぽぽ翔ぶここからは日本の空 たんぽぽを毟っていまも毟りをり たんぽぽを毟ればこの世は空となり たんぽぽや放火犯にも母がいた 黄たんぽぽ八百屋お七の出自とは たんぽぽをぽぽちゃんと呼ぶ赤児あり たんぽぽのぽぽは解体新書にあり たんぽぽとちんぽぽの空酷似せり たんぽぽは己れをぽぽと知らぬはず たんぽぽのぽぽ肉のまま昇天す
『坪内稔典の俳句』(創風社出版)の刊行にあたり、同氏が代表を務める俳句会員誌【船団】で全会員を対象にベスト3句を選出することになった。昨日私にも通知が到着し、早速ネット上で見直してみた。私が選んだのは次の通り。どれもよく言われるユーモアなどとはかけ離れた突出した情況句となっている。感想は別項で・・。
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ
桜散るあなたも河馬になりなさい
飯噴いてあなたこなたで倒れる犀
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ
桜散るあなたも河馬になりなさい
飯噴いてあなたこなたで倒れる犀