野性派でいこう!

日々の徒然です。子供四人。自然派。遺跡発掘事務所でお仕事。遺跡発掘調査で働き、やっぱり描いたり書いたりする日々。

縄文土器いろいろ。

2015-05-13 21:59:17 | お仕事話
縄文時代はすごい!と、みんな言う。確かにすごい。
なにがすごいのか、わたしも言ってみなくちゃいけないと、いう気になって書いてみる。

まず、縄文時代はすごく長い。
1万年くらい。

縄文時代が終わってからたったの2000年くらいで、今。

聖徳太子とか家康とか秀吉とか、有名な偉そうな人たちの前の、文字のない時代に名前の知られていない人々がたくさんいた。それも、すごい。

そして、縄文土器は世界でもかなり古い土器。


縄文というのは、土器の器面に、網目の縄模様がついているから。

ただの模様ではなく、熱効率を良くするための、当時の最新科学だとも言われている。

土器自体の形も丸っこいもの。
細長いもの。
装飾がゴテゴテのもの。シンプルなもの。

いろいろたくさん、すごくある。

きっと今より強く呪術的要素が生活の中に入り込んでいたから、
土器の装飾にはそういう意味合いも強いのかも知れない。

その土器の形の地域性という横の軸と、時代という縦の軸によって土器形式が分類されている。
(すごく細かく、すごくたくさん)

これが、なぜ面白いかというと、土器の形の変化から、人の流れが想像できるからだ。

人は、どんどん流れて交流して、変化していくのが本質なんだなぁ。


さて、
わたしたちのお仕事は、
土の中から出てきたばかりの、細かい土器の破片との格闘である。

つまり、小さな破片から、大きな形を推測して、分類に当てはめていかなくてはいけない!

これは、すごく難しい!

ゴテゴテと飾りたてるような土器。
一回つけた縄文の模様をわざわざこすって消す土器。
ちゃんと区切った中に縄文模様をつけるスタイリッシュな印象の土器。


でも、なんだこれは!
わからない!となると、先生がティッシュで縄文を撚って、粘土に転がして見せてくれる。

それで、いちいち感激して、次の土器の山に向かう。
先生の鞄には竹の棒や貝殻や籾殻も入っている。縄文土器が作られたであろう道具たちだ。

縄文土器を見て、縄文人は芸術家だ!とたいていみんな言う。

わたしからしたら、
縄文土器の研究に生活を捧げているかのような先生の生活自体がまるで芸術のようである。

もう、縄文土器にまつわるいろいろなことがすごい。圧倒的である。