近代建築を訪ね歩いていると、町の中を流れる小さな川には必ず近代に造られた小さな橋を見つけることができます。
長い年月で銘板もはがれ、橋の名称や竣工年も判然としないものも多いですが、大正~昭和20年代頃までに架けられた橋は、親柱や欄干のデザインに当時流行の建築様式を採用しているので、それぞれの橋に個性があります。
一級河川の立派な橋はもちろん見ごたえがありますが、名もない小さな橋も決して手を抜くことなく、当時流行のデザインでしっかり造りこまれているので、どこの町にでもある小さな古い橋をめぐるのもまた楽しいものです。
今回は刃物で有名な岐阜県関市にある小さな橋めぐりです。
刃物の町として700有余年の歴史がある関市ですが、昭和の面影を残す町の中心部には関川と吉田川が流れています。
その小さな川に架かる昭和モダンな橋は、当時の町の様子を伝えてくれます。
◆吉田橋(昭和5年)/吉田川
欄干はスチール製に改装されていますが、親柱は当時のまま鉄柵に囲まれ保存されています
◆大門橋(昭和4年)/吉田川
橋は架け替えられ「大門橋」の銘が入ったモニュメントと当時の親柱が保存されています
◆萬代橋(昭和5年)/関川
同じ道路に架かる吉田橋と親柱は同じデザイン、てっぺんに半球が載っています
◆関川に架かる橋
銘板が失われているため詳細は不明ですが、他の橋と同様昭和5年前後の竣工と思われます
親柱と欄干のデザインがそれぞれ異なりますが、どちらも親柱にタイル製の市章が埋め込まれています
こちらの橋は市章のほかにブルーのモザイクタイルを帯状に廻しています