かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

向野跨線橋(名古屋市中村区~中川区)

2012-04-03 | 近代橋めぐり

名古屋駅の南西にJR東海の関西線と名古屋車両区をまたぐ、いかにもクラッシクな跨線橋が残っています。
この鉄橋は名古屋で現存する最も古い橋で、明治19年京都鉄道(現JR山陰本線)の保津川鉄橋として米国で造られたものを道路橋として転用、昭和5年現在地に向野跨線橋として架橋されました。
当時は鉄の長いトラス橋は貴重で、撤去後もスクラップにはせず道路橋や跨線橋などに再利用されるのが普通でした。
当初の役目である保津川の鉄橋としては30年と短命でしたが、その後名古屋の地で第2の長い余生を送ることになり、現在でも110歳を超えてなお現役バリバリで頑張っています。
現在は老朽化により車両の通行は禁止されていますが、地域の生活に密着した身近な橋として人々に親しまれています。


◆向野跨線橋(こうやこせんきょう)/名古屋市中村区長戸井町~中川区百船町
 竣工:明治32年(1899)製造→昭和5年(1930)転用 
 製作:A&Pロバーツ社ペンコイド工場(米国)
 構造:鋼プラットトラス
 撮影:2012/02/26



■中川区百船町側より撮影



■中村区長戸井町側より撮影



■跨線橋からはJR東海の名古屋車両区が見渡せ、電車ウォッチングのスポットとして絶好です



■名古屋駅周辺の高層ビル群も見渡せます



■「昭和五年六月竣工」の銘板があるコンクリート製のシンプルな親柱