もっと高性能の、メッキ鋼板があった・・・

日鉄住金鋼板株式会社に、
性能の良いメッキ鋼板を基板にした
商品があった。
ガルバリウム鋼板をベースに、
マグネシウム（Mg）の防錆効果を
プラスした商品だ。

メッキ鋼板名は、エスジーエル(55％Al　-2％Mg　-1，6％Si　-41，4％Zn)
耐食性は、ガルバリウムの３倍超が、期待できる。
加工性は、ガルバリウムに同じ。

マグネシウムの効果で、アルカリ領域の耐食性が、
向上した。

商品名では
ニスクカラーSGL：カラー鋼板のスタンダード
ニスクフロンSGL：フッ素樹脂塗装鋼板
耐摩カラーSGL　：特書ガラス配合の強化塗膜
ハイレタンSGL ：厚膜ウレタン塗装

等の商品がある。

カラー鋼板メーカーの商品では・・・どんな特徴が？

カラー鋼板の性能は、
基板とこれを塗装する塗料によって決まる。

JFE鋼板株式会社の製品では、
基板の種類として、亜鉛メッキ鋼板
ガルバリウム鋼板が主流のようだ。

JFEカラーが、亜鉛メッキ鋼板に塗装。
JFEカラーGLが、カルバリウム鋼板に塗装。
この中間に、エコガルメッキ鋼板という基板に、
塗装した商品がある。

塗装はエポキシ樹脂が主流だろうが、
フッ素樹脂塗装の塗装鋼板もある。
つや消し、キラメキ、極フロン等の商品

遮熱、高耐食に特化した
高機能カラー鋼板。

エンボス、絞り、プリント等
高意匠塗装鋼板もある。

防食対応に、亜鉛メッキとガルバリウム鋼板だけ・・・
もっと品質向上に配慮した製品は、ないだろうか？

ガルバリウム鋼板・・・耐候性が上がった。

ガルバリウム鋼板は、米国で作られた。
ベスレヘムスチール社が開発した、
アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板の名称。

ガルバリウム鋼板は、メッキ金属として純亜鉛ではなく、
アルミニウム（Al）55%+亜鉛（Zn）43.4%＋珪素（Si）1.6%の
合金を用いている。（％は重量比）
アルミはメッキ層表層に強固な不動態皮膜を形成して、
メッキ層を保護する。
亜鉛含有量が低下することで、
犠牲防食性能は劣化するものの、
アルミの不動態皮膜と、亜鉛腐食部の腐食生成物が、
メッキ層の腐食進行を抑制するため、
全体として高い防食性を発揮する。

ベスレムスチール社の実験によると、
メッキ皮膜の寿命は、塩害地で約１５年、
工業都市や田園地帯で、約２５年以上の
耐候結果が出ている。

このガルバリウム鋼板に塗装を施した材料が、
耐候性の優れたカラー鋼板として、
屋根・外壁に使用されている。

今回からカラー鋼板・・・屋根、外壁で多く使われている。

カラー鋼板・・・
その昔は、トタン屋根なんて呼ばれていた。
鋼板（鉄板）に防錆処理として亜鉛を塗り、
その上に、塗料で塗装を施していた。
安いけれど・・・すぐ錆びてしまう印象が強い。

因みに、規格などの公な呼び名では
“塗装鋼板”を呼称とする。

今のカラー鋼板の性能は、驚くほど向上している。
防錆処理の方法が、大きく変わった。

それでは・・・従来のカラー鋼板とは。

亜鉛メッキ鋼板は、メッキ層に含まれる亜鉛が
基材の鉄よりもイオン化傾向が大きいため、
水中などの腐食環境下で、
鉄よりも先に亜鉛が溶け出すことで、
基材である鉄の腐食を防止を効果があった。
この効果を“犠牲防食”と言う。
この亜鉛メッキ鋼板に、塗装を施したのが、
従来のカラー鋼板。

次回は、防錆処理の開発で生まれた
ガルバリウム鋼板。