古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

精工舎・目覚まし時計/日本初のCM使用時計・色違い

2022年06月20日 | 時計

例の「日本初のCM使用時計/7時バージョン」精工舎の目覚まし時計の色違いを入荷。

当然、70年ほど前の当時のテレビCMは白黒のため、どの色を使っていたかは不明である。

手元にはピンク色が2機、完動品として所蔵しているが、今回は白色。珍しく動いてはいる。

金属部の金メッキの劣化と剣の夜光塗料の劣化。

動くに動くが問題は相当、速く針が進むこと。

既に調整ノブは目いっぱいマイナス側に振ってあり、ノブでの調整の域を超えている状態。(赤丸部分)

各金属部を奇麗に仕上げる序に調整を試みる予定です。

 

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精工舎/黒柿並スリゲル用擬宝珠作成

2022年06月14日 | 時計

「精工舎/黒柿並スリゲル」もここまで来ると、ニコイチどころか最後まで仕上げて上げたくなります。

擬宝珠についてはご承知の通り、木工旋盤で作るものなのですが、ここでは「石粉粘土」により作成します。

形状や大きさは以前に作成した図面を元に作成。

大まかな形を作り乾燥後に成形して行きますが、完璧に再現することは無理にしても、そこそこの

雰囲気を出すことが本来の目的であり、妥協すべきところは妥協します。

そして塗装工程へ。。。オリジナルの「黒柿並スリゲル」も擬宝珠部分は黒漆塗りで黒柿ではありませんので

その点は救いでもあり、再現は可能と判断。

使用する塗料は水性のアクリル絵具で、アクリルガッシュの黒とアクリルカラーのローアンバーを混ぜ合わせ艶のあるような

真っ黒ではない、半艶の少しくすんだ黒色になるように刷毛で塗ってゆきます。

因みに通常のアクリル絵具に比べアクリルガッシュは刷毛ムラも出難く扱いやすい。

これは未だ1回塗りの状態で乾燥後にもう一度2度塗りします。

後はダボ穴用のダボ(突起)約直径8mmを擬宝珠側に接着取付け。

そして、調整をしながら装着。

雰囲気は出たようで、無いよりは断然良いかと思います。

 

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精工舎/黒柿並スリゲル・作業終了?

2022年06月09日 | 時計

調整も終わりに無事に蘇った「精工舎/黒柿並スリゲル」。

文字盤の補色跡等を含め100年以上という歴史から考えると致し方ないのかも知れない。

凝った振り子の装飾も、このタイプは何故か3本の振り棒を巻く感じで曲げられてしまっているものが多いが

変形を出来るだけ修正し、両側の振り棒にハンダで固定し直して本来の形状へと戻している。

明治時代から関東大震災の年、大正時代まで製造されたこのユンハンスを模倣した「黒柿並スリゲル」は

その洗練されたデザインから人気も高い。

尚、「100年以上」と度々書いてはいますが、実は前期型と後期型が存在します。

見分け方はガラスの金装飾の柄の違い。

この凝った装飾は明治期の前期型で、大正期の後期型は簡略化されもう少しあっさりとしています。

従ってこの時計は明治期のものとなり、100年どころか「120年近く前」の時計になります。

 

後は上宮の中央の擬宝珠と下宮の3本の擬宝珠。何とかしたいところです・・・。

 

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精工舎/黒柿並スリゲル・作業その②

2022年06月06日 | 時計

何とか正確に時を刻み、時打ちも順調にするようになったムーブメント。何故か車庫の中で仮稼働中。

一方、文字盤の補色修正は、この手の経年のためや汚れのため少しグレーが混じると厄介で中々、近似色が出ないものの

この辺りで妥協し、艶消しクリアーを施し保護を施す。文字盤のリング等は既に洗浄磨き済み。

後はガラス押えがGボンドで接着してあったため全て撤去の上、新しく作り直して塗装を施し基本通りの

釘止めを行う。(写真は塗装前の白木の状態で釘用の下穴は明けてある状態)

ガラスも入ったところで蘇ったムーブメントも取り付け本稼働及び調整。

最後に文字盤のベースである部分がラワンベニヤで後年作ってあったため、こちらも新しく作り直すことに。

円形の開口部も整え、端部も見た目が良いように加工。

この部分も塗装を施し、いよいよ最終段階へ。。。

 

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精工舎/黒柿並スリゲル・作業その①

2022年06月03日 | 時計

先ずはケースの洗浄と蜜蝋にて保護。

外したビス、金具類の洗浄(足りてない木ネジが数本)。。。この後、磨きに掛ける。

外した文字盤の状況。この手の色は多分、色合わせは上手く行かないと予想されるが、クリアー塗装を施し

これ以上の剥離を防ぎたいところ。(振り子は手持ちの並スリゲル用が有ったため、こちらを使用予定。)

一方、機械(ムーブメント)の方は発条(ゼンマイ)は切れてないものの少し手間取っている・・・。

 

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