古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

「昭和の日」真贋の難しさ

2016年04月29日 | 雑貨

高値で取引されているSL(蒸気機関車)のナンバープレート(銘板)。(物によっては100数十万円)

当時、本当に使用(本物)されていたものなのか、はたまた後年レプリカ品として製造されたものなのか

難しいところがございます。現存(静態、動態保存)するSLのナンバープレートであれば先ずレプリカ品とされ

後は、一般的には先ず「砲金製(ガンメタル)」なのかでも選別されるところ。

俗に言う磁石に反応する磁性を持たないものであれば砲金製と判断される。

そして、文字のフォントや文字間隔の種類も色々あり、記録に残る当時の写真と擦り合せて判別する必要がある。

しかし、戦時中の物資不足の折には木製のナンバープレートすら有ったとされ戦後、新たに砲金製に

作り直されたという話も耳にするくらいナンバープレートには数多くの逸話が存在する。

ここに「C61型蒸気機関車」のトップナンバーである「C61 1」のナンバープレートがございます。

「C61」については戦後、未だGHQの監視下の厳しい時代に「D51型蒸気機関車」を改造し新規旅客用機関車として

1948~1949年の僅か1年間で33機しか製造されず現在、保存現存数僅か3機というSL。

このプレートをよくよく観察しますと僅かに磁性を持つ「鋳鉄」と判断し砲金ではないことが判明。

しかし、よくよく時代考察すると戦後間もない、終戦年の1945年から1952年まで続く連合国軍による

占領下で、砲金の原料となる「銅」や「錫」を自由に使えたかどうかは疑問が残るところ。

下の写真は未だ解体される前の「C611」。(1996年頃まで旧東北鉄道学園に保存されていたが解体)

文字のフォントは同じようにも観え、文字間隔(余白を含め)も合致しているように感じる。

そして何より、プレートを固定するボルト穴4ケ所の内、左下(Cの下)の1ケ所のみが枠に食い込んでいるのが共通する。

因みに取り付け穴の形状はテーパーではなく当時、よく使われた段付きの2段穴の形状。

果たして、このプレートの「真贋」の程は不明ですが、希少である「C61」であることと、それに記念すべき

トップナンバー「1」であることを考え、今後は保管してゆくことにする。

(追記:解体前に実物から型をとり、鋳造した記念品である疑いも残る・・・。)

 

「C61 1」ナンバープレート・485mm×195mm×13mm 重さ6.5kg: 非売保管品

 

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手回し計算機/東京電気製Blue Star計算機1952年製

2016年04月25日 | 雑貨

甦った「Blue Star」計算機。

固着が解き放たれ、リセットレバーが可動した時には少し感動ものです。

今や何かと話題の「東芝」の子会社であった「東京電機」。当初は「日本事務器」から販売されてましたが

その後、1952年に「東京電気」製となり色も「モスグリーン」に変更しております。(日本事務器時代は黒色)

状態は左リセットレバーが後年、修理交換されているようでオリジナルではないようなことと、+-ノブが欠品状態。

後、右側のレバー部分が欠損しているようです。タイガーであればレプリカ部品も入手可能ですが

この希少な「Blue Star」は入手不可能です。

裏面のゴム足はヒビ割れはあるものの珍しく状態は良好です。

既に64年という経年、ところどころに剥げや傷はございますが独特な「モスグリーン」には艶もあり、その希少さを

考慮すれば良好な状態と言えます。

スタイルについてはタイガーより、少しスリムな印象を受けます。

取扱いについては簡単な操作(スライドやリセット及び足し算、引き算、掛け算、割り算)のみで、

この「Blue Star」については資料が乏しく、未だ不明な点も残っておりますことご了承ください。

とは言え、希少な「Blue Star」計算機。この機会にどうぞ。

東京電気製Blue Star計算機 (1952):¥35,000-(送料別) 

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手回し計算機/東京電気製Blue Star 入荷

2016年04月18日 | 雑貨

今まで、「TIGER Calculating Machine」タイガー計算機については、いくつもご紹介して来ましたが

今回は希少な「東京電気製Blue Star」が入荷しましたのでご紹介します。

とは言っても、既に外装は外され修理過程に入っております。

内部は完全に固着状態。 洗浄から注油を施したところで初めて触る「東京電気製」なので観察しながら「修理は推理」へ。

無事に蘇ってくれることを期待しています。

 

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木製レジスター(自動金銭分類器)/昭和中期

2016年04月11日 | 家具

昨日の行商の折には沢山のご来店を頂きありがとうございました。

又、このブログをいつも見て頂いている方にもご来店頂いた上、ご購入もして頂き誠にありがとうございました。

では、レストアが完了した「木製レジスター(自動金銭分類器)」のご紹介です。

ところどころの外装の漆塗の剥げは、一旦そのままにして置こうかとも迷いましたが「カシュー漆」による

塗装やタッチアップを施しています。

その関係で色違いの部分が出ておりますが、それもまた趣だと思います。

正面上部と背面上部には「現金A37Yen81Senル」の表示がございます。

この表示はガラスの奥の紙を入れ替えることによって「いらっしゃませ」とか「ありがとうございます」等

表示の変更が可能な構造のようです。

しかし、この残された「37円81銭」というのが時代考察で重要な役割を果たします。

この手の「自動金銭分類器」は昭和初期~中期のものが多いのですが、初期にしては「37円81銭」は

あまりにも高額となります。その高額表示をレジに表示することは当然、おかしいので昭和28年の

流通「銭」の廃止以前の時期、時代は「昭和中期」と判断します。

正面エンブレムについては劣化によりメーカー名判読不可となっておりますが、背面には「Tsudihana」の

文字が残っております。これについてはメーカー名なのかどうかは不明です。

上部、金銭投入口の4方枠の内1ケ所が欠品しておりましたので新たに修復作成しております。

又、当時は上部に「結界飾り」が有ったような痕跡が残っておりましたが、欠品状態のためこちらも

穴や傷部分をカシュー漆によって補色しております。

一番痛みが激しかった抽斗が収まる枠部分。こちらもカシュー漆によって補色しております。

抽斗を引き出した状態になります。現行金銭を投入すると、右側に1円硬貨、右から2番目に

100円、50円、5円硬貨が落ちます。一つ空けて一番左側に10円硬貨が落ちるようです。

下の小抽斗は上の抽斗が開放されて初めて引き出せる仕組みです。このことは、この手のレジでは

当たり前の構造なのですが、当初は不都合があったため常時引き出せる状態でした。

こちらの構造も修復済となっております。

以前にもご紹介しました「2段階開錠方式ダイヤル錠」も使用可能です。

滅多に出ない「木製レジスター(自動金銭分類器)」をこの機会にどうぞ。。。

木製レジスター(自動金銭分類器)/昭和中期 : ¥35,000-(送料別)

 

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行商のご案内&お問い合わせについて

2016年04月09日 | 行商

明日は今年初の骨董市「誠市」への「行商」出店となります。境内の桜が残っていることを祈りつつ

お近くにお越しの折には、お立ち寄り下さい。

場所は福井県鯖江市「誠照寺 誠市」(6:00~14:00)。

又、最近のご購入のお問い合わせの傾向といたしまして、ご返事をコメント欄よりいたしても

「なしのつぶて」が多々みられますこと残念に思います。

この場でご紹介する品々は現在では入手出来ない、長い年月を運よく生き残ってくれた品や

showa土花亭に助けを求めるべく、傷ついた姿、動かない状態でたまたま訪れ、それを何とか

甦らせた貴重かつ希少な品々です。

骨董との出会いは「ご縁」。ご縁が無かったといえばそれまでなのですが、お問い合わせ頂く場合は

よくお考え頂いた上でお問い合わせ頂けると幸いです。 

又、購入目的ではなくても修理やレストアの相談等の場合、当方で持つ知識の範囲であれば今まで通り

アドバイス等対応しておりますので、合わせて宜しくお願いいたします。       showa土花亭:亭主

 

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