明治中期から戦後まで使われていた「炭火アイロン」。始まりは明治中期に英国より伝わったとされ
1915年に国産電気式アイロンが発売されるも当時、未だ室内の壁面にプラグを差すコンセントも普及しておらず
その高価さ故に30年間も普及せずに「炭火アイロン」が戦後まで活躍し続けた。
「さくら印」の炭火アイロン。さくらのペイントも当時のもので、しっかりと残っています。
炭火の火力調整用の給気口もさくら。ちゃんと回転可動します。
炭火投入の目皿も現存。
アイロンとしての機能上、最も重要な部分。それは船形の底金の状態。
先端部分はもちろんのこと、ベース面も奇麗な状態で使用には問題ない状態です。
「さくら印の炭火アイロン」/価格応談
昨今、値上がりが続く俗に言う「SLナンバープレート」。今やレプリカ製であっても、その型式や鋳造の出来具合に
依っては高値が付く。
下の写真の「D51 789」の方は正真正銘の実装プレートで、「D51 180」の方はレプリカの内でも高品質のプレート。
当然ながら、どちらも「砲金製」となる。
実装プレートの内でも実は価格に差がつく場合がございます。前後左右と4枚のプレートが存在するが前方に取り付いて
いたプレートは特に高値が付いてしまう。このプレートも多分、前方プレート(最低でも後方)と思われ、特徴は飛び石に
依る多数の打痕の存在が見分け方となります。
後は今更ではありますが、「実装プレート」と「レプリカプレート」の見分け方について。
先ずは「砲金製」であることは当たり前なのですが、当時の廃車解体時にプレートを外すことは結構、難儀であったため
ガスでボルトを切断することが多く、取り付け穴廻りが焼け爛れた跡や打刻跡の痛みが実装プレートの場合は多く存在します。
それと、保管状態にも依りますが裏面に煤が残っている場合もあり、このプレートも裏面を手で触ると未だに煤が
手に着きます。洗浄すれば済むことではありますが、これについては敢えて洗浄しないことは常識のようです。
後は鋳造における浮き文字の段付きの高さ。上の実装プレートに比べ、下のレプリカの場合は段付きが大きくなります。
このレプリカは高品質のため段付きは2mm~3mmと低い方ですが他のレプリカプレートの場合、4mm以上が一般的なようです。
最も、実装プレートの場合は国鉄検収員が機関車の整備時に磨き続けたため、段々と減ったことも想定出来るのと
同じく、ベースの黒ペンキも何度も塗り重ねたせいで塗膜が厚くなったせいもあることを付け加えておきます。
どちらにしても、本物の実装プレートとレプリカプレートの違いは、よく観察することだと思います。
TIGER Calculating Machine戦後型10×10×18、製造は1950年代(昭和25~35年)「第三期」。
公務員の初任給が¥4,800円ぐらいの頃、販売価格は何と¥28,400円。
ご承知の通り、戦前型は「丸に虎印」だった物が戦後、横文字で「Tiger」となり桁数表示が金属製。
そして、やがてその金属製桁数表示が樹脂製と変更される。その欠損していた桁数表示もそれなりに修復。
TIGER Calculating Machineは、その変還により多くの種類があるが、やはりこの時代の黒塗りの機種が一番貫禄が
あり、工業製品としてもバランスがとれており美しい。
不思議と部品の損傷や欠品さえなければ、今でも健全に動き計算が可能である。
手回し計算機/TIGER Calculating Machine戦後型10×10×18/非売品