古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

日立製作所/4号AW自動式壁掛電話機

2015年01月29日 | 電話機

4号AWを開発した「日立製作所」製1959年(昭和34年)。

前回も書きました材質が「ベークライト」から「セルローズ」へ変更したための弊害、例えば本ケースと

ベースとの締りが弱冠悪くなって固定フックの掛かりが悪いように感じます。

後はコレですね。ベークライトでは先ずは無かった異樹脂の接触による溶解跡(水ぶくれ)。

写真のダイアルスペースより上部と受話器にも少し観られます。

他の部分では観られませんが、経年(56年)による傷はございます。

ダイアルも「日立製作所」製。センターラベルもコピー品ではなく当時のオリジナル品です。

防塵ケースも揃っており同じく「日立製作所」のロゴマークが入っております。

内部の機械類も「日立製作所」。

受話器も「日立製作所」で揃っております。

受話器ループケーブルについては伸びがあります。

そして、いつものようにモジュラーケーブルに換装済みで、このまま御使いいただけます。

観る限りでは全て「日立製作所」で揃っております「メーカー揃い品」で希少かと存じます。

「4号AW」自体も希少なものなので、この機会にご検討してみてはいかがでしょうか。。。

4号壁掛黒電話(4号AW)」/日立製作所製(1959): SOLD OUT

 

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4号AW自動式壁掛電話機について

2015年01月26日 | 電話機

以前にもご紹介した「4号壁掛け黒電話」。

今回、お譲りできる「4号AW」が入荷しましたので、その前にこの「4号AW自動式壁掛電話機」について

その「4号AW(日立製作所製)」の写真とともに、いくつか説明したいと思います。

(1959年(昭和34年)日立製作所製)

終戦後、日本電信電話公社は名機4号A自動式電話機を採用し電話通話を著しく向上させたわけですが

当時、卓上式しかなく以前の電話ではあった筈の「壁掛式」は開発されませんでした。

日本の住宅事情からすると壁掛式の方が合理的であったにも関わらず・・・。

そこで日本電信電話公社(電々公社)は昭和28年、新型壁掛式電話の開発を「日立製作所」に要請します。

当時の開発評価書のコピーになります。

内容を読ませて頂くと、相当な苦労があり「4号Aの単なる壁掛け」ではないことが理解できます。

日本の資源と軽量化のためベークライトから「酪酢酸セルローズ」へ移行したり、日本人の唇から耳までの

距離を再考し、新たに軽量化もはかり開発した専用「5号送受器(受話器)」。

(当時、男女1,000人に及ぶ日本人からサンプリング測定したとのこと)

又、小型化された磁石電鈴に案外知られてない専用ダイアル4号改良型「4号F」と、これは同じ

4号電話でも「A」と「AW」とでは全くの別物であるということが分ります。

小型軽量化により、通常の卓上式の約70%の重量に抑えることに成功し通信性能も向上。

よく、共電式4号CWに4号Aのダイアルを移植したものや、受話器が同じく4号Aのもが付いているのを

よく見かけますが、それが全くの間違いであることを改めて感じました。

そんな次回は、その「日立製作所」製となります「4号AW自動式壁掛電話機」を詳細写真と共に

ご紹介します。

 

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ARS社Arsenカメラ・44判/1938年(昭和13年)

2015年01月22日 | カメラ

昭和初期の戦前、カメラ雑誌を出版していた「アルス社」から発売されたカメラ「Arsen(アルゼン)」。

価格¥88円。当時の教員の初任給が¥50円の時代ですから、いかにカメラが高価だったかが窺えます。

参考:カメラ雑誌「正しい写真の写し方」ARS(アルス社)表紙。モデルの女性が手に持つ「Arsen」

レンズ:アナスチグマット・グリルメン50mm/F4.5

鏡胴直進ヘリコンド・焦点距離50cm~∞。(最短撮影距離50cmまで寄れるという凄さ)

軽合金ダイカスト製ボディーに腐食も観られますが75年以上も前のカメラであることをご理解下さい。

黒モロッコ革張りの正面右角に「ARSEN」のエンボス加工。

背面の赤窓。最初の1コマはここで確認し、後は自動巻止めのようです。(内部にスプール1本付属)

シャッター(3枚羽根)も全速切れますし、各操作部分も問題無さそうではありますが試写は行っておりません。

専用レンズキャップ付属。専用革ケースも痛みはございますが残っております。

オークションを含め市場には先ず出ないカメラかと存じますので、この機会にどうぞ。

ARS社Arsenカメラ・44判/1938年(昭和13年):¥15,000円 (送料別)

 

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精工舎 角型文字盤柱時計/昭和10~20年代

2015年01月19日 | 時計

当時としては珍しい角型文字盤で、この頃からか精工舎の剣(針)の形も直線的に

なったように思います。

特徴的な文字盤は結構厚い鉄板にプリントを施してあります。

従ってゼンマイ鍵の差込口にはハトメが存在しません。

このことについては今まで、いくつかの厚手の鉄板製文字盤に共通しておりますので

欠品ではないと判断します。(文字盤裏にもハトメがあったような形跡は見当たりません)

ムーブメントは注油のみで手を加える必要がない、程度の良いものでした。

いつものように長期テストランを行っております。

尚、ムーブメントを観て分る通り半打ちなしの時打ち(正時)のみとなります。

上宮飾りの真鍮製装飾についてはクリーニングを施し、当時の輝きを取り戻しております。

同じく丁番類もクリーニングを施し綺麗な状態です。

前扉フックについても同じです。

唯一、振り子の玉部分と時間調整ナットだけがオリジナルでないように思えますが定かではありません。

ご覧の通り、木箱部分も大変綺麗な状態を保っております。

振り子室のガラスに少し白濁が見受けられますが、それほど気にはなりません。

60年以上の時が経過した時計としてはとても程度の良い柱時計です。

精工舎 角型文字盤柱時計/昭和10~20年代:  SOLD OUT

 

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伸びたループコード

2015年01月15日 | 電話機

古い電話機を扱う上で悩みの種が受話器コードの内でも伸びきったループコード。

あまりドラマチックには元通りにはなりませんが多少は改善できる方法を一つご紹介。

これが改善前の状態。(相当、伸びきってます)

先ずは熱湯に数分漬けます。(黒いコーティングが白くなる場合もありますのでよく注意して下さい)

次に熱湯から上げると同時に冷水に浸し絞った雑巾で海苔巻き状態にします。

この時に海苔巻きよろしく、ループの形を整えながらループを詰めて行きます。

そして開放。まぁ~少しは改善された程度ですが伸びきってはいません。

後はループの中に荷造り用の紐でも通して、暫く括って置くもの気休め程度ですが多少は違います。

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