以前にも書きました「マツダ製セレクトスイッチ電気時計のレストア」の折に触れたモーター(ローター)の修理方法。
しかし、これらの方法でもダメな場合は分解しかございません。
早速、二度と入手出来るわけがないこの部品を大胆にも分解します。
この小さなモーターケースは2ピースの真鍮製のものをハンダにて接合してあります。
一旦、ハンダを溶かすもケースが離れず仕方なく切断の後、接合さや部分を再生しております。
中々、お目にかかれないモーター内部です。
完全に固着していたギア部分をクリーングで解き放ち注油。NS極性部もスムーズに回転するようになる。
そして組み込み、可動確認。。。
あまりお勧め出来る作業ではございませんが、通電した時の「ジー」という音と共に秒針が動き出すと
満足感と達成感を味わうことができます。
以前ご紹介した折にも「譲って欲しい」等のお問い合わせを頂いた「精工舎コロナ系プラコメット 移植手術」。
基本的に精工舎のプラコメットについては「非売品」扱いなのですが、今回それとは別の販売出来る
お品がやっと入荷しましたのでご紹介します。
象牙色のとても可愛いコメット。その文字盤の大きさ僅か62mmほどしかなく、ケースの直径で約75mmとなります。
その文字盤の程度も良く、長針の剣の蛍光塗料に一部変色が見られるぐらいです。
特徴的なベース(足)の形状。
割れはございませんが所々ヘアークラックがあり、その部分が一部変色しております。
背面の状態です。目覚まし合わせのノブがオリジナルより少し長いものに換装されているようです。
目覚ましベルを止める赤いスイッチは劣化が観られたため、手持ちの状態の良いものに換装してあります。
真横から観ますとケースに湾曲を与え、凸型曲面ガラス風防とのバランスも絶妙です。
この象牙色のプラコメットは滅多にお目にかかれませんので、この機会に是非ご検討下さい。
精工舎コロナ系プラコメット/昭和30年代:¥12,000-(送料別)
今までも精工舎の日本初のTVCMに使われた時計を紹介してきましたが、その冒頭を飾る
「コメットフラワー」になります。
兎に角、可愛いの一言に尽きるのですが実物は案外デカく全高約13センチ以上あります。
今から15年ほど前にSEIKOから台数限定で復刻品が発売されましたが直ぐに完売。
当然、復刻版はクォーツだったためケースの厚さがもっと厚く、1.5倍ほどの厚さがありました。
それとは違い、この「コメットフラワー」は当然、機械式のコメット。今から64年前のものです。
ニワトリがゼンマイを巻く冒頭のシーンで登場します「コメットフラワー」。
今までも数々の「ALL LEAD製手回しミシン」をご紹介しておりますが、今回ご紹介するお品は良品と言えます。
少し黒味が強い木製ケースが特徴です。
補色と蜜蝋での磨き程度でほほ当時のままの状態です。
上蓋の固定金具のロックピンが金具内で折れていたため新たにピンを作成し問題なく固定出来ます。
このタイプの多くが欠品してます「半月状」の蓋も新たに作成の上、装備しております。
その蓋を外し手回し車のレバーを起せば可動となります。
金細工模様の残存率も相当高い方で、カマ部分も補色程度で抑えております。
木製バースに固定する金具横に備わるのは縫い目幅の調整ダイアルです。
一番細かい縫い目幅での試縫い状態。
裏側の単環(ステッチ)も綺麗に縫えています。(後の微調整(糸圧等)は必要です)
カマを持ち上げると内部に当時の「検査済証」も残っております。
特記すべきはカマの下の二つ折れアームがこのタイプではスプリングプレート(写真右)になっております。
上箱(蓋)の持ち手両側(長辺方向)に木部のシワ(薄いクラック)がございます。
この部分については、このままでも問題は無さそうなのですが一応、裏側から紙張りにて補強をしました。
今までのタイプより木部が黒味掛りシブさも醸し出す「ALL LEAD製手回しミシン」
中々、程度の良い品も少なくなってきておりますので、この機会にどうぞ♪
ALL LEAD製手回しミシン/良品: ¥40,000-(送料別)