個人名でのコメント欄よりのお問い合わせが数件、寄せられたためコメント公開はせずに、この場で
お答えさせて頂きます。
オールドカリモクのKチェア他、数多く修理して来ましたが、あくまでも個人レベルの修理であり、とても人様の大切な家具を、
お金を頂き修理できるようなレベルでもなく、増してやオールドカリモクについては販売もいたしておりません。
今まで修理やメンテナンスを施した「オールドカリモク」については、当ブログのブックマークにもございます「caffe 月の虹」にて
お客様に座って頂いて現役で活躍している次第です。
尽きましては、ご理解の程よろしくお願いいたします。
尚、多少の修理におけるアドバイスであれば行えることもございますので、どうしてもとおしゃる場合は
ご連絡先等を記載の上、コメント欄よりお問い合わせください。
コメントは事前承認を採用していますので個人情報等記載のコメントについては公開されません。
以上、宜しくお願いいたします。
オールドカリモクのワイドアームチェアの座面修理。。。
一見、健全のようにも観えるが実は内部構造は既に寿命が来ている状態。
表皮のビニルレザーに裂けや破れがないのがせめてもの救い。
剥がれ落ちた裏地から覗く下地の麻布は劣化しウェブスプリング(S型バネ)がスポンジに食い込んだ状態。
完全に破断した下地は座り心地に大いに影響を及ぼし、このまま放っておくといつもの表皮のビニルレザーに
S型のスプリング跡がやがて浮き出てご臨終となる。
早速、解体作業。。。
その名の通り「Kチェア」のそれよりアームがワードであることから来る「ワイドアーム」。
実はアームがワイドなだけではなく「Kチェア」の座面より少し大きい座面。
写真でもお分かりの通り、「Kチェア」のウェブスプリング(S型バネ)は4列だが「ワイドアーム」は5列となる。
麻布の下地の張替え。
下地が張り終わったところで今回は、スポンジの中央部分に膨らみを持たすためフェルトスポンジ(白色)を挟み込む。
「ワイドアーム」の座面は「Kチェア」に比べ平坦なのが特徴ではあるが平坦が故、少しへたったようにも観える。
それを解消するための細工ではあるが、表皮のビニルレザーが張り終わった下の完成写真を観て頂ければ
1枚目の修理前の座面に比べふっくら感が出たのがお分かり頂けると思う。
そして、裏地も張り終わって、これで修理完了です。
今まで修理したオールドカリモク。
Kチェア1シーター×9脚、Kチェア2シーター×1脚、ワイドアーム×2脚、カフェチェア×2脚、現行カリモク60Kチェアミニ×1脚、計15脚。
この座面修理の合間にアームフレームの塗装作業中ぅです。。。
caffe 月の虹 のバックヤードにあります食器棚たち。
今では海外産等の復刻版モールガラスもございますが、こちらは当時ものの2mm厚。
当時のダイヤガラスやニカワガラスとともに人気のあるガラスですが今では希少品となってしまいました。
ガラス屋に言わすと切断加工がしにくいガラスとのこと。
確かにあの厚みの異なる波型方向を切るのには気をつかうかも知れませんねっ。
caffe 月の虹 で使用中のオールドカリモクのファブリックKチェア。
どうも最近、スプリングが擦れるキシキシ音が出るとのことでメンテを施すことに。
少し汚れはあるものの裏地も当時モノの希少なオールドカリモク。
その裏地を丁寧に外す。
観てお分かりのように通常の合皮のKチェアの構造とは違う構造になる。
(カフェチェアのそれに近い)→オールドカリモク カフェチェアのレストア
因みに音の発生個所はこの部分。
丁度、ウェブスプリングを木製フレームにステップルで固定してある部分。
捨て布を緩衝剤として使って音を防いでるようではあるものの多分、それが擦り切れての金属同士の
摩擦音と判断する。
こんなところに油を差す訳にも行かず、クッションを少し補強して音を和らげることに。
経年のため既にスポンジウレタンはウェブスプリングの跡通り切れかけている。
その部分をこれ以上進まないように麻布の下地材を入れ込んでゆく。仕上がりはこんな感じです。
多少は音も和らいだようで作戦的には成功のようで、裏地を丁寧に戻してメンテは終了です。