「精工舎スリゲル1号」についてお問い合わせ頂きました。
本ブログでのご紹介以外にも在庫として保管中の「精工舎スリゲル1号」になります。
入庫時点で上宮飾りが欠品していたのと長針が違うもの付け替えられていました。
その後、上宮飾り木部の作成及びいつものルーティンで仕上げております。
珍しく箱の裏面に当時、購入した折の時計店のラベルが少し残っております。
「昭和6年10月31日」の日付けが読み取れますので、今から84年前の「スリゲル1号」と判断します。
裏側全体。
裏側上部角部分(壁に接する部分)左右にに当りがございます。
掛けた状態ではそんなに目立ちません。
文字盤の状態は比較的良好でセルロイドの変形も観られません。
付け替えられた長針の軸穴が甘いせいか時打ち時、一目盛ほどズレがございます。
剣を外した状態。
内部ムーブメント。巻き鍵は後年の精工舎製と思われます。
下宮部は良好な状態です。写真では右角部に変色のようにも映ってますが、これは木目の違いに
よるもので主観では気になりません。
吊り金具は真鍮製ではなく鉄製のメッキ仕上げです。これについては以前、ご紹介したもう一機の
「スリゲル1号」についても同じ鉄製でしたので元からの吊り金具と判断します。
扉フック部分。
振り子室の状態です。振り子については写真でも写らない小さなクボミが1ケ所見受けられますが目立ちません。
後、ガラス部分に白濁もなく良好であることを付け加えておきます。
そして、問題の上宮飾り部分。
丁度、サマーブレイク中に作成したのですが木質のせいもあり色が少し薄く仕上がってます。
後、レリーフについては欠品のままの状態です。
裏面差込部分になりますが丁度、スリット穴に合う厚さの木材がなく少しルーズに入っております。
尚、幅についてはオリジナルでもこのような幅の筈です。
いずれレリーフも時間をみて樹脂で作成しようと思っていたところ、お問い合わせを頂いたため
現在はこのような状態です。
尚、上宮飾りを一層、取ってしまうのも手ですがそこは好みの問題かと存じます。
他にも必要な部位の写真をございましたらリクエストして頂ければお応えできますので、ご検討のほど
宜しくお願いいたします。
※精工舎スリゲル1号:6インチセルロイド文字盤・八日巻き・時打式
製造:大正13年から製造販売開始の後、昭和11年製造終了