先日の「無惨な花星八角時計」の修復過程の映像。
木製ケースは朽ちた漆塗を剥がし、新たにカシュー漆で仕上げております。
文字盤は表面の「アンソニア」を捲ってみると幸運にも下からオリジナルの精工舎が出てきたため
糊を何とか剥がし、捕色しております。
外観の修復の間、ムーブメントは正確に時を刻むまで回復。
面白いのは振り子の下ネジ(時間調整用)の代わりに先人が修理したのであろう細い針金を
ネジ山に合わせ、座金を取り付けてあったため、その部分はそのままにして置きます。
後、長針も先人が折れた剣をハンダで修正した跡がありましたが、それもそのまま補正を掛けて
再塗装(短針共)を施してあります。
そして、この八角時計の特徴でもある「花星」。化粧プレート共々クリーニングを施し、磨きを掛けてあります。
(今回はクリーングに何処のご家庭にでもある酢を使いました)
そして、全ての部品を組み付けて行き、やっとご紹介出来るレベルまで修復。
やはり黒塗りに真鍮の花星は生えます。
文字盤の黄ばみ具合も程よい加減で引き立ってます。(白い真新しい文字盤は似合いませんね)
この花星八角時計については、雷神が背負う「雷鼓(太鼓)」に花星が似ているせいもあり、
「雷八角時計」と呼ばれることもあります。
精工舎 花星八角時計:年代不明