先日の「精工舎/黒柿並スリゲル用擬宝珠作成」の折に使った「石粉粘土」と「アクリル絵具」が余っていたので
残った材料で量産。
慣れて来たせいか、腕があがったせいか?段々と出来が良くなってきた気がする。。。
そして、上スリゲルと黒漆塗並スリゲルに装着。(黒漆塗並スリゲルの下宮用の左右の擬宝珠はこの段階では未装着)
その後、文字盤の補修や磨きを施し少し形を変えた擬宝珠を装着した「黒漆塗並スリゲル」
先日の「精工舎/黒柿並スリゲル用擬宝珠作成」の折に使った「石粉粘土」と「アクリル絵具」が余っていたので
残った材料で量産。
慣れて来たせいか、腕があがったせいか?段々と出来が良くなってきた気がする。。。
そして、上スリゲルと黒漆塗並スリゲルに装着。(黒漆塗並スリゲルの下宮用の左右の擬宝珠はこの段階では未装着)
その後、文字盤の補修や磨きを施し少し形を変えた擬宝珠を装着した「黒漆塗並スリゲル」
分解してみると内部は油切れもなく奇麗な状態で、長年大切に手入れをされていたことが分かる。
問題はこの赤丸部分。調整ノブをほぼ中央にし、ヒゲのロックを外し少しだけ伸ばして調整してみる。
この状態では直立しないため一旦、磨き上げた金属の上下の蓋を仮組し立たせた状態で様子を観る。
ほぼ時計が進み過ぎないよう調整が終わり組み上げて仕上げる。
背面の腐食の錆落としはこれが限界。
そして、ピンク色と並べてみる。
例の「日本初のCM使用時計/7時バージョン」精工舎の目覚まし時計の色違いを入荷。
当然、70年ほど前の当時のテレビCMは白黒のため、どの色を使っていたかは不明である。
手元にはピンク色が2機、完動品として所蔵しているが、今回は白色。珍しく動いてはいる。
金属部の金メッキの劣化と剣の夜光塗料の劣化。
動くに動くが問題は相当、速く針が進むこと。
既に調整ノブは目いっぱいマイナス側に振ってあり、ノブでの調整の域を超えている状態。(赤丸部分)
各金属部を奇麗に仕上げる序に調整を試みる予定です。
「精工舎/黒柿並スリゲル」もここまで来ると、ニコイチどころか最後まで仕上げて上げたくなります。
擬宝珠についてはご承知の通り、木工旋盤で作るものなのですが、ここでは「石粉粘土」により作成します。
形状や大きさは以前に作成した図面を元に作成。
大まかな形を作り乾燥後に成形して行きますが、完璧に再現することは無理にしても、そこそこの
雰囲気を出すことが本来の目的であり、妥協すべきところは妥協します。
そして塗装工程へ。。。オリジナルの「黒柿並スリゲル」も擬宝珠部分は黒漆塗りで黒柿ではありませんので
その点は救いでもあり、再現は可能と判断。
使用する塗料は水性のアクリル絵具で、アクリルガッシュの黒とアクリルカラーのローアンバーを混ぜ合わせ艶のあるような
真っ黒ではない、半艶の少しくすんだ黒色になるように刷毛で塗ってゆきます。
因みに通常のアクリル絵具に比べアクリルガッシュは刷毛ムラも出難く扱いやすい。
これは未だ1回塗りの状態で乾燥後にもう一度2度塗りします。
後はダボ穴用のダボ(突起)約直径8mmを擬宝珠側に接着取付け。
そして、調整をしながら装着。
雰囲気は出たようで、無いよりは断然良いかと思います。
調整も終わりに無事に蘇った「精工舎/黒柿並スリゲル」。
文字盤の補色跡等を含め100年以上という歴史から考えると致し方ないのかも知れない。
凝った振り子の装飾も、このタイプは何故か3本の振り棒を巻く感じで曲げられてしまっているものが多いが
変形を出来るだけ修正し、両側の振り棒にハンダで固定し直して本来の形状へと戻している。
明治時代から関東大震災の年、大正時代まで製造されたこのユンハンスを模倣した「黒柿並スリゲル」は
その洗練されたデザインから人気も高い。
尚、「100年以上」と度々書いてはいますが、実は前期型と後期型が存在します。
見分け方はガラスの金装飾の柄の違い。
この凝った装飾は明治期の前期型で、大正期の後期型は簡略化されもう少しあっさりとしています。
従ってこの時計は明治期のものとなり、100年どころか「120年近く前」の時計になります。
後は上宮の中央の擬宝珠と下宮の3本の擬宝珠。何とかしたいところです・・・。