先日の「4号カラー卓上電話機の難点」の折にも触れました通り、この「えんじ」も
凄まじい劣化度でした。(多分、今までの4号カラー電話では最悪の状態)
それを根気よく手を施し、何とか見れる状態まで回復。
一部、傷(欠け)は有るものの、これで残り「あと二色」となりました。。。(もも、あおたけ)
とても程度の良いレンジファインダーが手元に届く。
オリジナルケースもレンズキャップも揃っています。
各部をチェックするとフィルム巻き上げレバーのスプリングが不調なのと、裏蓋の締りが悪いくらいでほぼ完調。
早速、修理を施しこれで試写に向けて準備万端です。
しかし、手元に35mmフィルムがないため、また後日となりますが試写の結果は又この場で。
1958年10月発売。この年、我が国で初めて発行されたのが「1万円札(聖徳太子)」。
当時「2.8つきで1万円!」がうたい文句でしたが、当時の大卒事務系の初任給の平均が
「¥1万3467円」からすると、やはりカメラは相当な高級品であったのがうかがえます。
RICOH 300 (1958)
いよいよタイピングです。
少し語弊があるかもですが、アーム式ハンマーが叩く音や感触はGUNのそれに近いようにも感じで
少し前のワープロとは違い「流石はREMINGTON」とでも表現出来ます。
左のシフトキーを押しながらロックを押すと大文字に切り替わります。
右下にもシフトキーがあり、これはフリーで一文字を大文字に切り替える時用でよくよく考えれば
QWERTY配列なのがよくわかります。
一番下の左右に長い無印のキーもスペースキーになります。
調子よくタイピングしていて右端までキャリッジが辿り着いたところで今度は改行の方法が
分からないことに気が付く。(笑)
こんな時もやはり「推理」ですねっ。色んなレバーを動かし、それが何のためのモノなのか、
どんな動きをするのかを理解しながら何とか判明する。
(行間も二種類出来ることも判明)
そして、打ちまくりのタイピング。
因みに、リボンについてですが本機には運良く、純正の手巻きリボンが付いていました。
でも今でも国産の手巻きリボンは入手出来ますのでサイズさえそこそこ合えば流用可能なようです。
昔、外国映画でしか観たことがないような「フォント」が嬉しいですねっ。
何となくですが、少しタイプライターの構造も理解できたよようで、他の「ヴィンテージタイプライター」も
触ってみたいような気もします。
REMINGTON Rand社製タイプライター/REMINGTON REMETTE (1938~1942)
早速、修理再生に取り掛かる前に少しだけ詳細説明。
資料では1938~1942年の4年間、アメリカREMINGTON Rand社で製造されたタイプライターになります。
(REMINGTONというと、やはり「GUN」が直ぐに思い浮かびますが・・・)
現在の文字入力キーボード配列(QWERTY配列)の元となったとされるREMINGTON Rand。
先ずはエアーで70年以上に渡り、溜まった埃を吹き飛ばし荒掃除。
とりあえず注油して動作の確認をし出します。
タイプアームの動きや打刻印字は問題ないようです。
さて、各部の欠品や動きのチェックに取り掛かります。
ブラリと垂れ下がっていたのはキャリッジを引っ張る紐。
実際、何処にどのように付いていたのかも不明。ここからが俗に言う「修理は推理」です。
ラジオなどとは違い、糸の張り方の図も何処かに張ってある訳がなく、何とか試行錯誤を繰り返し
紐の取り付く先と経路を見つける。
やっと張れたかと思いきや、今度はキャリッジが打刻後もスペースキーを押した後もテンションが足りず
スライドしない。
又もや「推理」。要は紐を引っ張るバネの力が足りない・・・。ってことはバネが内臓されているドラムが悪い。
注油を繰り返し、紐を引っ張りながらテンションを確認。でも、変化がない・・・。
一旦、「ドラムごと外すか?」と軸受部分を触ると「カチッ、カチッ」と・・・。「はっはぁ~いん♪」
「ゼンマイ式バネ」ねっ♪。。。ってことは時計と同じで巻けるのでは?
判明しました! 軸受けをよく観るとマイナススリットが入ってます。
ここにマイナスドライバーを差し込み、時計のゼンマイを巻くように、このドラムのバネも巻ける構造なのです。
問題が解決したところで、機能を確認すると何とか実用出来そうです。
気分を良くしたところで、専用ケースの表皮の捲れた所を修理しながら剥げたところは捕色を加え
本体のクリーングと磨き作業へ。
準備が整ったところで、いよいよタイピングです。。。続く。