古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

NEW HOME MIDGET キャビネット型ミシン/その2

2016年12月21日 | ミシン

やっと、ご紹介出来るようになりました「NEW HOME MIDGET キャビネット型ミシン/その2」。

今回は相当な手間を掛けた関係で長文、写真多めのご紹介になります。

先ずカマ(ヘッド)部分についてはキャビネットに固定するボルト穴(M5mm)がバカになっており、新たにM6mmに

タップ切りを施し、問題なく固定が可能となりました。

そして、キャビネット側上蓋の固定金具(スタッド)2ケ所の内、1ケ所が欠損しておりましたのでこちらも

新たに真鍮製のスタットを埋め込んでおります。

何より一番苦労したのがキャビネットのスライド蓋の擦り減り。このままではスライドせずとも蓋が外れてしまうため

薄い木片を足しております。

それぞれのパーツ(カマ&キャビネット)が一応は仕上がった状態です。

そして、いつものように試縫いのテストとなります。

幸運にも下糸のボビン(ケース)が残っていたのですが、シャトルの先端が擦り減った状態で上糸を上手く

捕まえてくれません。

何度か調整を施し、やっと下糸を引き出せるようになりました。

未だ糸飛びや糸圧の調整が必要ですが一応は可動品の証、縫える状態にまで到達。

では、詳細映像になります。。。今回、相当苦労したシャトル型ボビンもスライド板をスライドすると綺麗に収まっております。

スベリ板(ベース部分)は出来るだけ錆を落とし磨いてあります。

キャビネットの各収納部分を開けた状態です。

カマ(ヘッド)部分。。。今回のカマは決して綺麗な方では無かったのですが、出来る限り錆びや汚れを落とし

磨き込みました。案外、金模様の残存率は高い方だと思います。

手回し側から。。。下糸巻き用のゴムはいつものように新品ゴムに入れ替えてございます。

キャビネット部分もカビを取り除き、蜜蝋で磨いてあります。

一部、突板の欠損もございますが又それも趣とご理解してください。

今回のミシンは相当、苦労もしましたがこうやって仕上がってみると、そんな苦労も報われた気がします。

「New Home MIDGET キャビネット型ミシン/その2」:現状¥80,000-(送料別) 

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ご挨拶。。。今年この場に来ていただいた皆様におかれましては厚く御礼申し上げます。

今年もこの場でご紹介したお品たちも沢山のご縁を頂き、新しい処へと嫁いで行った次第でございます。

この場にお越しいただいた皆様におかれましては、幸おおからんことお祈りし、暮れのご挨拶に

かえさせて頂きます。。。 


NEW HOME MIDGET キャビネット型ミシン入荷

2016年12月17日 | ミシン

以前、この場で奇跡の「NEW HOME MIDGET キャビネット型ミシン/完品」をご紹介しましたが

その同型のミシンがこの度、入荷いたしました。

以前の完品とは違い、色々と手を施さなくていけません。

最も本当は1世紀の経年を考えればこれが当たり前なのかも知れません。

いずれ、レストアが完了しましたらいつものように、この場でご紹介させて頂きます。

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精工舎スリゲル8号 その2

2016年12月11日 | 時計

前回、紹介した「精工舎スリゲル8号」の整備が完了、組み立てて行く。 

各金具類は洗浄磨き及び再使用出来ないビスは新品(真鍮マイナスビス)に入れ替える。

文字盤のセルロイドは歪があったため出来る限りの修正を行い、24時間支は消す。

よくよく観ると消した跡は分りますが、普通には違和感はありません。

そして、純正オリジナルではなかった剣(針)の内、手持ちのユンハンス型短針のみ入れ替え。

これだけでも雰囲気は純正オリジナルに近づきます。

後は3ケ所のハトメを新品(真鍮製)装着。

各丁番の洗浄磨き具合も写真で確認できます。

振り子室の「SEIKOSHA」金文字も残っております。

残念なのは振り子室の扉部分にクラックが1本入っております。(赤丸部分)

当然、これ以上広がぬよう接着の後、目立たぬよう補修してあります。(上の写真でご確認ください)

上宮飾りのレリーフも新品当時の輝きを取り戻しております。 

実物は小ぶりな宮型で、欅の木目が大変美しい時計です。 

精工舎スリゲルシリーズの内でも人気の「8号」。  

既に1世紀近い経年を考えれば、又とない逸品です。 

 

精工舎スリゲル8号 その2/大正期:¥60,000円(送料別)

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精工舎スリゲル8号の修理

2016年12月05日 | 時計

不動の状態で入荷した由緒正しき「精工舎スリゲル8号」。

ご覧の通り、無用な24時間表示と純正オリジナルではない剣(針)が備わる。

背面を見ると、大正期から大切にメンテナンスされながら使われていたであろう、整備書(保険票)の重ね張りが現存する。

しかし、直近の整備が疎かであったのか、僅か1年半ほど前のシールが文字盤の裏に時計店の名称入りで張ってあった。

何処をどう整備したのかは分りませぬが現状、不動である以上とにかく外せるものは外し、いつものルーティンが始まる。

欠品は文字盤3ケ所のハトメ。showa 土花亭の時計修理(整備)はただの修理ではありません。

ムーブメント意外もケースからビス1本に至るまで整備して行きますので、修理終了まで今暫くお待ちください。

 

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