TIGER Calculating Machine戦後型10×10×18、製造は1950年代(昭和25~35年)「第三期」。
公務員の初任給が¥4,800円ぐらいの頃、販売価格は何と¥28,400円。
ご承知の通り、戦前型は「丸に虎印」だった物が戦後、横文字で「Tiger」となり桁数表示が金属製。
そして、やがてその金属製桁数表示が樹脂製と変更される。その欠損していた桁数表示もそれなりに修復。
TIGER Calculating Machineは、その変還により多くの種類があるが、やはりこの時代の黒塗りの機種が一番貫禄が
あり、工業製品としてもバランスがとれており美しい。
不思議と部品の損傷や欠品さえなければ、今でも健全に動き計算が可能である。
手回し計算機/TIGER Calculating Machine戦後型10×10×18/非売品
過去、いくつもの「手回し計算機(TIGER Calculating Machine)」を触って来ましたが、ここまで程度の良い個体は
初めてで、各ペイントの状態も申し分ない。
気になる部分は下の写真の数値入力部の2ケ所備わる樹脂製の桁数表示右側の先端部が破損状態。
しかし、樹脂製桁数表示は各2ケ所づつ備わっており欠品はしていない。
とは言え、現在は不動状態で各駆動部は油切れで全て固着している。
通常は製造から70年以上も経過していることと、本体が重量物のためほぼ全ての個体はゴム足が潰れ劣化が
みられて当たり前ですが、この個体のゴム足は比較的に良い状態。(但し、取り付けボルトが1本破断している)
早速、固着を解くために外装を外して行く。ここでも驚かされるのが、外装裏面に貼られている防振用鉛板の
青いビニルテープ。こちらも健全な状態で残っている。ここまで残っているには奇跡的で、固着の状態をみる限り
ほとんど使われていなかった個体なのかも知れない。
今後は固着を解き、注油を施し機能テストを行い後は、外装を奇麗に仕上げて行く予定。