古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

3号自動式壁掛け電話機×2種

2024年12月18日 | 電話機

相当な手間を掛け修理がやっと終わった、左の「3号自動式壁掛け電話機」。

ヒビが入っていた本体ケース3箇所やダイヤル部分も何とか目立たぬよう修復。パッと見は分からないと思う。

センターラベルはCADで起こしたレプリカ品。当初の送受話器のループコードは布打ちコードに換装。

通信状況についてはやはり改善は難しく、若干の音量不足は否めない状態ではあるが通話はこなせている。

右側は以前から所蔵していた方で、元々なのか経年によるものなのかは不明な本体ケースが艶消し仕様のもの。

因みに、4号卓上黒電話の場合は以前にも書いた「幻の4号黒電話艶消し」が存在するが、3号においては不明である。

ただ、この以前から所有している右側の方は頗る通信具合が良く、現在でも4号並のクリアーさを誇っている。

尚、両機種とも入手困難品故、「非売品」となります。

 

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3号自動式壁掛け電話機の修理

2024年12月16日 | 電話機

3号自動式電話機の場合、卓上電話機はたまにオークションでも目にしますが「壁掛け」となると

たまにしかお目に掛かれない上、その「壁掛け」という特性から破損が有ったりする個体が多い。

今回、入荷した「3号自動式壁掛け電話機」も本体ケース四つ角の内、3箇所でヒビが入っていたりで

決して程度は良くない。早速、手持ちの「3号自動式壁掛け電話機」と比較して、欠品破損等を観てみる。

左の黒ベルの方が修理を施さなければならない今回、入荷した方。

初見では「ダイアルの固定不備」「フック受け部固定ナットの欠品」「裏蓋のラッチ不良によるロック不能」等々、結構な

不具合ぶりである。ダイアルの回転板は金属ではなくベークライト製。これもクラック(ヒビ)が入っている状態。

本体ケースのマスキング部はヒビが入っている部分で修理が必要。

因みにモジュラーコードを接続して、発信着信のテストを行うとスピーカー音量が低いものの一応は問題は無さそうである。

通信テストを確認したところで分解作業に移行する。

この時代に送受話器の「ループコード」がある筈もなく、これは布打ちコードへの換装が望ましい。

 

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同じ「ぞうげ」でも

2024年03月08日 | 電話機

数多くの4号A卓上電話機のカラー電話機を触って来ましたが、「ぞうげ」に限り製造メーカーによる色合いの違いが

顕著のように感じる。当然、艶落ちや経年に依る色焼けがあるとしても、他のカラー電話機はこれ程はない。

左が「沖電気製ぞうげ」で右が「日立製作所製ぞうげ」。

両機共メーカー揃いの個体ではあるが、左の個体はほぼ艶落ちもなくコンディションは極上に近いため、本来の「ぞうげ」

とはこの色合いが近いのかも知れない。

 

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電話機の山買いからの救出、そしてエリコフォン

2023年11月09日 | 電話機

オークションにてゴミの山のような電話機の山買いの後、使えるモノ、部品のみを保管するモノ等仕分けをし

4機の「4号A卓上電話機」を何とか救出し、クリーニングから整備、通信テストを終える。

この一連の作業はたまにはあるのですが、今回は「掘り出し物」が一つ。

何と、「ニューヨーク近代美術館」にも収蔵されているエリクソン社の通称「エリコフォン」若しくは「コブラ電話」と呼ばれる

希少な電話機が・・・。

1940年代後半、スウェーデンのエリクソン社でデザイン製造された当時としては画期的な「一体型電話機」。

1954年から量産に入りヨーロッパやオーストリアで販売。1960年代に入りアメリカ市場でも販売されるようになる。

ベース裏部分にダイアルとフックスイッチが収まり、発着信の折にはテーブルから電話機を持ち上げることとなる。

当然、クリーニングと整備を行い通信テストも終えているのですが、始めて聞く例の「トランジスタ発振回路」による

呼び出しブザー音はベルとは違い、古い電話機にしては違和感がある。

ただ、今から75年も前にこのデザインを考案したエリクソン社には驚かされる。今でも使えることも驚きですが・・・。

 

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4号A卓上カラー電話の劣化

2021年02月09日 | 電話機

4号カラー電話につきまとう発色の劣化。。。

これについては所有者の皆様の長きに渡る悩みの種ですね。

最近のWikipediaなどでは「黒以外の塗装・・・」などと書いてありますが、ご承知の通りコレは全くの誤りで

ベークライト(フェノール樹脂)に色粉を入れ成型されたもの。(古い洋服のボタンなどと同じ)

ベークライトの特製として経年とともに色が濃くなる特製があるようでその分、通常の黒電話の劣化度は

少ないように感じ、既に70年ほど経った黒電話でも色艶の良い個体も見掛ける。

一方、カラー電話の場合(特にわかくさ色とふじ色)、色艶の落ちようが顕著に感じられる。

一説には「酸化」によるものと言われていますが確か、ベークライトは耐酸性は強い筈。(逆に耐アルカリ性は劣るとされる)

写真のような「白く粉」が吹いたような現象がよく観られ一旦、ケミカル等で落とし切ったかに思えても

やがて又、時間が経つと発生する。

悩ましき問題ではありますが、既に半世紀以上70年近く経過している物。

ある程度は妥協しなくてはいけないのかも知れません・・・。

 

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