古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

精工舎コロナ系プラコメットの修理再生

2021年06月16日 | 時計

最近、精工舎のプラ系の「コメット」が高騰しているようで、日本初のテレビCMに登場した「フラワー」に至っては

「¥5万円」以上の高値をつけているようです。精工舎コメットフラワー(ピンク系)/昭和26年

今回はその「フラワー」より後に登場した多分、精工舎のコメットでは最小となる「プラコメット」が不動状態で入庫。

早速、修理再生作業に入る。。。

運よくゼンマイは切れておらず髭の状態も良好のため、清掃と調整と注油で蘇ってくれた。

以前にもご紹介した「精工舎コロナ系プラコメット 移植手術」「精工舎コロナ系プラコメット/昭和30年代・販売」の

色違い、「グリーン」の可愛いプラコメット。

ほぼムーブメントの大きさしかない時計。各ゼンマイ巻きやノブ類はオリジナルを保っています。

横からは曲面ガラスがよく分かるデザイン。

基本的に精工舎のプラコメットについては「非売品」扱いとなります。

精工舎コロナ系プラコメット(グリーン)/昭和30年代: 「非売品」

 

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鶴巻時計店英工舎/大時計23寸丸

2021年01月08日 | 時計

手元に届いた時の状態は頗る悪く、15寸程(直径45センチ)のペイント文字盤は御覧の有様。

同じく直径23寸(約70センチ)にも及ぶ木枠も木枠風防共々下部を一旦、解体する羽目に。

結構な手間暇を掛けてやっと時計として仮の剣を付け可動させる段階まで辿り着く。

ムーブメントはオリジナルの英工舎製で正時の時打ち調整と注油のみで元気に稼働する。

渦リンも英工舎製オリジナル。ゴングの位置を調整し柄に似合わない可愛い音を奏でる。

文字盤も修復(リペイント)し、特徴的な剣(長針は大時計には欠かせないバランスウェイト付き)で大迫力の特大丸時計は蘇る。

鶴巻時計店英工舎/大時計23寸丸:昭和初期-非売品

 

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アイデアル グレッシャム 13寸丸時計

2021年01月03日 | 時計

その独特な名称とT.T.式と呼ばれる6項目の特徴を持つ「IDEAL」。

大正11年のカタログ

先ずは文字盤の補色とスモールセコンド部文字盤の張替え。

文字盤のフォントからすると昭和初期のものと推測する。

スモールセコンド部については前のオーナーが手書きで作ったと思われる。

文字盤の修復時間を利用し、そのT.T.式の機械の調整。

確かに左右に少し傾けても時を刻み、通常の発条式(ゼンマイ)で見られる全巻き状態から

解放に近づくにつれ若干、時計が遅れるという現象は無いように思えることと、当時は「虫付」とか「小秒針付」

呼ばれたスモールセコンドも「1周60秒=1分」を守っているように思う。

(通常、掛け時計のスモールセコンドは正確ではない)

背板のラベルも残っていたので、劣化防止のためクリアーを吹き付け保護しておく。

(上部の愛知時計のラベルは後年、貼ったものと推測されこの辺りから廃業間もない頃と思われる)

各金具類はクリーニングと磨きを掛ける。そして、本体右脇にはゼンマイ鍵ようのホルダーを備える。

大正時代に創業の「小栗時計製作所」。

当時、画期的な時計を開発するも残念ながら終戦後間もなく廃業。短命な時計製造メーカーでした。

ほぼ70年以上経過していますが今でも「T.T.式」で元気に可動。

小栗時計製作所:アイデアル グレッシャム 13寸(文字盤10寸)/昭和初期 非売品

 

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ハバナ型涙の滴時計

2020年12月22日 | 時計

最後にご紹介は「ハバナ型涙の滴」。。。正直、3機の内一番手間が掛かった時計。

救出した5機の内、最も状態は悪かったもののやはりそこは「涙の滴」のせいか、何とか蘇らせたかったため

約一月の内、その過半以上の時間と手間を費やすこととなった。

「ハバナ型涙の滴」については色んなタイプが出回り、元祖アンソニアを真似た国産の個体も多く、この時計も例外ではない。

文字盤は何故かスモールセコンド部分を紙で隠された文字盤に全く不似合いな剣。ムーブメントは後年入れ替えられたであろう

精工舎製で唯一、渦リンのみアンソニア製。ケースの底板は後年ベニアを入れられその厚さも箱に合ってなかった。

上宮の擬宝珠は欠品で下宮の飾りは途中で欠損。振り子も無い・・・。

正しく分解というか「解体」作業から始めなければいけない状態。

ムーブメント(精工舎製)はこのまま使うことにし、いつもの洗浄注油、調整を繰り返し施す。

慣らし稼働の時間(日数)を利用し先ずは文字盤の作成から。

どうせなら、ちゃんとした?アンソニアの文字盤にということでCADで作成し作り直す。

そして貼り付け。(文字盤のリング類も洗浄の後、磨き済み)

次に難関の下宮飾りの欠損部の補修?というか継ぎ足し作業。

木目(柾目)を合わすのに苦労した部分。そして、箱の底板も無垢材で作りお直し、上宮飾りの擬宝珠も追加。

そして、何となく「ハバナ型涙の滴」として蘇らせる。

振り子室のガラスの金細工模様はほぼ消えていて、微かに残っている部分も写真では分かり辛い。

ビーナスのお顔も結構、美しい方でこの鉛製の無垢材が洗浄過程でクエン酸と化学反応し金色に輝きだした時には正直、驚いた。

(依って、着色も何も施してない)

下宮飾りについてはやはり限界を感じた部分で、妥協としか言いようがない出来。

振り子は手持ちのもので代替。剣については時計の文字盤が非常に小さいため、短めの剣を更に

切断加工し装着。

この写真撮影の後、文字盤に合う剣が見付かったため今はバランスの良い状態で、こちらも「caffe 月の虹

小上がりにて元気に時を刻み時を知らせている。(剣は交換済)

 

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メーカー不明丸頭大型時計

2020年12月20日 | 時計

2機目はメーカー不明の丸頭。。。振り子室廻りに鎌倉彫の飾りが付き、丸頭部分には彫がない

その分、あっさりとした印象を受ける大型の時計。

振り子室左右の長い直立の擬宝珠は片方欠品。後は後年、張り替えたであろう何故かアンソニアぽい文字盤。

ムーブメントは時打ちの調整棒が存在しなメーカー不明の薄汚れた状態。

御覧のようにスモールセコンドが何故か付いているのですが長さは途中で切断されている。

この時計はいつもの洗浄注油ぐらいで手間が掛からなかった方で、新たに文字盤を張替えたぐらいで、

ちゃんとした時計として蘇ることが出来た。(短針のハート型がなんとも良い)

あえて、振り子室の左右の擬宝珠は装着せずとも、これはこれで良い雰囲気を醸し出す。

只今、caffe 月の虹」にて元気に時を刻み時を知らせている。

 

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