素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

教員免許更新制度について

2009年09月01日 | 日記
 今日から9月。なんとなく気分が変わるから不思議だ。衆議院選挙もマスコミの予想通り、民主党の大勝に終った。最近の国政選挙は、いかにうまくキャッチコピーをつくり、先手を打って流れをつくるかで、勝敗が決まるように思う。前回は「郵政民営化」今回は「政権交代」
 今日の毎日新聞に、神戸女学院大教授の内田 樹(たつる)氏のコメントがある。『・・・・ところが、今回は、政権交代という既にある着地点にめがけて投票した感じだ。言い換えれば、テレビのチャンネルを替えたようなもの。次のチャンネルで何をやっているかは分からないが、今までのチャンネルに出ている役者の芸風に飽きたから、替えただけのことである。
 だから、有権者は政策的に大きな変化は期待していない。・・・・・』

 同感である。しかし、せっかくの機会であるので、民主党政府には2つのことは期待したい。1つは、全国学力テストをやめて、今の幼稚で、近視眼的な学力騒動を鎮静化させること。
 もう1つは、今年度から始まった教員免許更新制度をなくすこと。この夏休み、免許更新のための講習会に参加した人の話を聞く機会があったが、中身はひどいものだ。
  *講座を開設している大学側が、何をするかとまどっている
  *経験年数の異なる受講者が混じっているので、話の焦点がぼやける。
  *体調が悪くても、休み中にがんばって講習を受講し、試験に合格しないと免
  許が失効するので、傍目にも気の毒な状態で受講していた人がいた。
  *離島、僻地に勤務する人は、宿泊費、交通費の負担もばかにならない。
  *他の研修との調整に四苦八苦するケースがある。
  *クラブ指導の時間、特に公式試合などでつくことができずに困る。など

 教員免許を得た後の研鑽は、自己責任(身銭を切って自分でする)ということを
徹底すべきである。研修の中身は、幅広く容認すればよい。免許更新講習の名がつけば「歌舞伎鑑賞」も認められ、個人で、歌舞伎に行っても認められないというのは矛盾している。時間とお金だけ保証して、自分を高めるために、好きなものにチャレンジさせればよい。
 免許のことを、厳しく求めるなら、定員の問題で、免許外の授業を持たせることのないように、どんな小規模な中学校にも、必要な教員数は配当しないといけない。私も、新任の時、免許のない理科を教えたこともあった。
 また、民間人校長など、教員免許を取得していないものを平気で登用するのも、矛盾した話である。

 このまま、整理しないで進めていくと、新任研から始まり、研修だらけの教員生活となり、学校を留守にすることが多くなり、生徒を見る余裕のない教員を増やしていくような気がする。
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