素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

シリア情勢緊迫&「68年後の証言・奈良の戦争体験」

2013年08月29日 | 日記
 アサド政権側が化学兵器を使って市民多数を殺傷したと判断したアメリカは、イギリス、フランスなどと協力してシリアへの限定的攻撃に踏み切る構えを強めている。国連調査団が現地調査を続けていて結論が出ていないにも関わらず、「疑う余地はない」と独断している。10年前のイラク戦争の時の存在しなかった大量破壊兵器のことは忘れたのだろうかと素朴な疑問。急ぐ必要があるのだろうか。

 湾岸、コソボ、アフガニスタン、イラク、リビアなどここ20年武力介入の度合いが多くなってきた。それによって中東は安定に向かっているかといえば???である。もう1つさかのぼればベトナム戦争、それぞれに大義は掲げられたが大量破壊という事実は同じ。世界の盟主アメリカであり続けるための力の誇示に過ぎないのでは?とかさまざまな思いが湧いてくる。

 やりきれない気持ちで新聞をめくっていくと10面のオピニオンで「記者の目」の見出し〈『不条理』に耳傾けたい〉という奈良支局の宮本祥平さんの書かれたものに目が行った。

 今年の夏は終戦間際に日本各地が襲われた米軍による空襲についての話を見聞する機会が多かった。神社仏閣など文化財の多い奈良はなかったのだろうと勝手に思い込んでいたが、宮本さんの取材で例外ではなかったということを知った。氏の取材によれば1945年6月1日から終戦前日の8月14日まで、奈良県内各地で、焼夷弾の投下や機銃掃射などが十数回あったという。約30人から話を聴き、証言を整理し、資料を読み込んで「68年後の証言・奈良の戦争体験」という連載を、空襲があったのと同じ日に毎日新聞奈良版で全15回掲載した。(クリック)⇒68年後の証言・奈良の戦争体験全15回

 宮本さんも言っているように、「どうして」という疑問には答えは出ない。「戦争だから」と言ってしまえば身も蓋もない。ただ、戦争の持つ不条理さ、理不尽さだけは心に刻まれた。

 過去の終わった話ではなく、現在にも続いていることを地道な取材で掘り起こしてくれた。ペンの力だと思う。

  
コメント
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