素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

紫式部

2021年06月23日 | 日記
 今日も不安定な天候だった。原因は太平洋高気圧とシベリア高気圧が2階建てになっているためだと言っていた。15時半ごろ雷鳴が聞こえた。見渡すと黒い嫌な雲が空を覆い出した。昨日も19時過ぎから突然の雨に襲われた。今日もか!と大急ぎで洗濯物を取り入れ、窓を閉めた。結果は空振りだった。ただ出かけていた妻によると、2km離れた藤が尾団地ではどしゃ降りだったとのこと。極めて局地的な雨だったようだ、
 夕食後涼みに屋上へ出ると東の空に、大気の2層構造を思わせる少し面白い雲が出ていた。


 百人一首の世界の旅、今日は女流歌人に焦点を当ててみた。9人そろったオンパレードの部分がある。
右大将道綱母   嘆きつつ 独りぬる夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る
儀同三司母    忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

大納言公任    滝の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
和泉式部     あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今一たびの 逢ふこともがな
紫式部      めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな
大弐三位     有馬山 ゐなのささ原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
赤染衛門     やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな
小式部内侍    大江山 生野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
伊勢大輔     いにしへの 奈良の都の 八重ざくら 今日九重に 匂ひぬるかな
清少納言     夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ


 こうやって並べてみると、当時の宮廷につとめる女房の質の高さを感じる。その中に一人公任が入っているが、彼をあえてここに入れた定家の心を知りたいとも思った。紫式部の歌は女友達との別れを詠んでいることを知った。すっかり男女の別れだと思っていた。
 「紫式部」は優雅な名前だが、私生活は地味だったみたいだ。自分が恋に忙しかったら『源氏物語』は書けなかっただろう。白寿を迎えた瀬戸内寂聴さんも「物書きは孤独なものよ。孤独でなかったら執筆に没頭できない。だからコロナの自粛生活はどうってことない」とテレビのインタビューで言っていた。妙に納得した。
 その優雅な名をいただいている木、秋に紫の小さな実を沢山つけるが、今は小さな花が咲いている。
 
コメント
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