素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

今日の新聞2つのコラムが読み応えあり

2023年03月04日 | 日記
 朝刊でグッと引きつけられるコラムが2つあった。

 1つは、専門編集委員・伊藤 智永さんの「土記do-ki」。もう一つは専門記者・栗原俊雄さんの「『疎開』続く硫黄島から発信を」である。どちらとも戦争に異なった側面から光を当てたもので読み応えがあった。ロシアのウクライナ侵攻でリアルタイムに戦地の模様が伝わってくる今、戦争というものを否が応でも考えざるを得ない。その時、歴史から学ぶということが大切だと思っている。

 伊藤さんは「新しい戦前」というタイトルで、第二次世界大戦に日本が参戦する2年前、1939年に渡辺白泉が詠んだ句「戦争が廊下の奥に立ってゐた」を手がかりに現在の先行きが見通せない状況を考えている。歌人・永田和宏さんが年明けに「まさかそんなとだれもが思ふそんな日がたしかにあった戦争の前」と詠んだように、今が「新しい戦前」だったとならないようにしなければいけないと思った。

 第二次世界大戦の激戦地・硫黄島では日本軍守備隊2万1900人が戦死し、現在は自衛隊が常駐し、自由に渡ることができない。戦後78年を迎えても半数以上の遺体、遺骨が行方不明という。栗原さんは、硫黄島の「戦前史」と「戦後史」の両方を取材している。厳しい規制の中、何度も交渉して硫黄島での単独取材にこぎ着けた経緯とその後計4回の硫黄島での現地取材から見えてきたことを書いている。戦争の持つ理不尽さが凝縮しているように感じた。
コメント
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