映画さんぽ シスタマゴの徒然日記

映画大好きな姉妹が、最近観た映画のレビューや日々の出来事を気の向くままに綴っています♪

凶悪

2013年11月11日 | 映画
いかにも怖そうな予告編にも関わらず、観てしまいました

新潮社の記者が闇に埋もれた事件を暴いて、犯人逮捕へと導いた実在の事件の映画化。



主要な人物が、山田孝之さん、ピエール瀧さん、リリー・フランキーさんとくれば、もうそれだけで勝ちな気はしますが、予想以上に凄い映画でした。(以下敬称略)

獄中からの告発により、記者である藤井(山田孝之)が死刑囚須藤(ピエール瀧)と面会している場面では、須藤は礼儀正しくおとなしそうな印象を受けるのだけど、あるきっかけでたちまち豹変するところは、冒頭の悪行三昧を思い出して(あ~やっぱりこの人の本性はこうだったんだ)と恐ろしく感じました。

ピエール瀧の凄みを利かせる演技も怖いけど、それより怖いのが、リリー・フランキー演じるセンセイ(木村)ですね。

二人が共謀して老人を殺害するところで、リリー・フランキーがもう楽しそうなのが、震えるほどです

観る前は、過去の犯罪を再現ドラマ風に現在の状況に織り交ぜていくのかと思っていたら、ある場面から一転して過去の話になるんですね。
そこからは延々と過去の物語が進行して、現在の状況とクロスするところは見事だと思いました。

センセイが思わず殺しちゃった相手の処理を、須藤に頼んだところなんて、二人のノリの軽さに参りました。遺体を車に乗せる場面で、

センセイ「いつも悪いね、ジュンジくん」
須藤「いや、いいっすよ、いいっすよ。早くブッ込みましょう」

…とても人を殺した後のやりとりとは思えない…

焼却炉で人を焼いている映像から、いきなりクリスマスの七面鳥のローストチキンに場面が転換するのも、びっくりですね。ジョークか?ジョークなのか?



クリスマスの場面は、そこだけ見ればまるでよくある和やかなホームドラマのように錯覚してしまいます。(ランドセルから札束が出てくるのには面喰いますが)

この事件が実話だっていうことに寒気を覚えます

ただ、実話だからどうとかということなしに、この映画は面白い(というと語弊があるのかもしれないけれど)
インパクトも強烈で、その晩は悪夢を見たほどです

こういう事件があったということを知るためだけでも、この映画を観る価値は充分あるし、純粋に物語を楽しむという点でもまったく問題ない出来だと思います。

主な出演者3人の他にも、芸達者な俳優さんたちばかりでよかったです。

ところで、リリー・フランキーとピエール瀧の二人は、今やっている『そして父になる』にも出演してるんですね。
(ピエール瀧は一場面のみ)

『そして父になる』を観てから『凶悪』を観るか、『凶悪』を観てから『そして父になる』を観るか、どっちにしても、リリー・フランキーの演技の幅を堪能できるラインナップですね
コメント
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