<ストーリー> 映画.comより抜粋
乗っていた貨物船が遭難し、一匹のトラとともに救命ボートで漂流することになった少年パイのたどる運命を描く。
1960年インド・ポンディシェリに生まれた少年パイは、父親が経営する動物園でさまざまな動物たちと触れ合いながら育つ。
パイが16歳になった年、両親はカナダへの移住を決め、一家は動物たちを貨物船に乗せてインドをたつが、洋上で嵐に遭遇し貨物船が沈没。
必死で救命ボートにしがみついたパイはただ一命を取りとめるが、そこには体重200キロを超すベンガルトラがいた。
2Dで鑑賞。
映画の予告では、ジェームズ・キャメロンがいかにこの映画が3Dにふさわしいかを力説していたのが印象的でしたね
『アバター』以降キャメロンは
「これからの映画は3Dが標準になるだろう」と大見栄切ったのに、全然そうならない現実に焦ってる感がありありでした
もちろん、この映画は3Dで鑑賞されるように作られているのがよくわかりましたが、2Dで観たからといって、その良さが損なわれるとは思えなかったです。
閑話休題
主役のパイに無名の(というより、演技経験のない)少年を迎えて、ストーリーの大半がほぼ1人と1頭の冒険(漂流)映画です。
もちろん、実際に本物のトラと一対一というのはありえないだろうから、トラはCG技術の賜物なのでしょうね。
それにしても、CGだというのをまったく感じさせない実在感でした。
(CGだと確認したわけじゃないんだけど、まさか本物じゃないよね?
)
一緒に乗っているのがイヌやネコなどではなく、トラなのだから仲良く漂流…というわけにはいかず、どうかすると襲われて食われるかもしれないという死と隣り合わせのサバイバル共存生活。
だけどパイがのちに「リチャード・パーカー(トラの名)がいたから生き延びられた。自分一人だけだったら死んでいた」と言った時、ウナギの稚魚の話を思い出しました。
ウナギの稚魚を国外から日本に輸入する時、移動中にほとんどの稚魚が死んでしまうそう。
そこで、ウナギの天敵ナマズを一匹入れたところ、1割は食べられてしまうけど、9割は元気に生き残るということでした。
問題に直面して必死になることが、生命力を高めるのを証明するような話です。
思いがけず、トラがかわいく見える時もあり、(う~んトラってやっぱりネコ科だなぁ…)なんて納得することもありました。
風景も美しく幻想的で、ややもすると単調にになりがちな物語を、まったく飽きさせずに見せてくれました。
ただ、最後のトラのシーン。
せっかくあのシーンを入れるなら、やっぱり振り向かせてほしかったです。
そうしたら、パイはともかく観客は救われる気がしたのに…と思うのでした。
原題:Life of Pi
製作年:2012年
製作国:アメリカ
上映時間:126分
監督 アン・リー
製作 ギル・ネッター アン・リー デビッド・ウォマーク
製作総指揮 ディーン・ジョーガリス
原作 ヤン・マーテル
脚本 デビッド・マギー
撮影 クラウディオ・ミランダ
美術 デビッド・グロップマン
編集 ティム・スクワイアズ
音楽 マイケル・ダナ
<キャスト>
スラージ・シャルマ
イルファン・カーン
タブー
レイフ・スポール
ジェラール・ドパルデュー