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旅行記、世相独言

駐車場?高速道路と満漢全席 -北京、天津-(異文化体験21 改革解放の国の旅3)

2012年04月14日 23時42分26秒 | 異文化体験_アジア
(写真はクリックで拡大します)

駐車場?高速道路と満漢全席 -北京、天津-  1994.9.16

 天津市の象徴 415mのラジオ・テレビ塔

 北京、上海に次ぐ中国第3の政府直轄市の天津は、人口843万人の大都市である。大阪市が人口260万人、昼間流入人口が150万人程度だから合計しても400万人。天津市の半分にも満たない。
 天津丼や天津甘栗で馴染みの深い「天津」だが、天津丼という料理があるわけではない。その昔「中国」=「天津」というくらい重要な貿易港であったが故に、中国風という意味で使われたと言われている。北京の外港としても機能しており、工業都市でもある。

 天津煤気公司からの迎えの車でつい最近開通したと言う北京―天津間の高速道路を走る。この京津塘高速道路は1993年9月の開通で、近年の高速道路の標準仕様で建設された最初の高速道路で、北京‐天津間をおよそ1時間に大幅短縮している。

 昨年開通した「京津塘高速道路」 北京‐天津1時間

 迎えの車は、軽快に高速道路を時速100km位のスピードで走っている。
 ところが、この高速道路、路肩に沢山の車がボンネットを撥ね上げて駐車している。どうしたんだろう?と聞くと、オーバーヒートして冷却中だと言う。そのほとんどがトラックだが、中には乗用車もある。日本や欧州の中古車を買って、整備もそこそこに高速道路をスピード出してエンジンに負荷をかけて走るもんだから、オーバーヒートして路肩に立ち往生しているらしい。近代化のアンバランスがこんな所にも垣間見れる。

 蓋碗による中国独特のお茶の飲み方

 天津煤気公司のガス工場を訪れると、最近私の出向元のO社を訪問したという工場長が懐かしく出迎えてくれる。応接室の正面の大きな席に座らされ、熱烈歓迎を受ける。 小さなテーブルには蓋付のコップに茶葉にお湯を注いだ中国式のお茶が出される。そう言えばタクシーの運ちゃんも、ネスカフェの瓶に茶葉の入ったお茶をほとんど皆運転席の横に置いて運転している。慣れるまで飲み難いものである。

                   
(左)ラジオ・テレビ塔入場券               (右)テレビ塔パンフレット

 
(左・右)テレビ塔からの眺望 もやで遠望が利かない 足もとは水上公園のようだ

 工場見学の後は、天津の街が一望出来る415mのTV塔に上る。残念ながらもやがかかって遠望が利かなかったが、足元には池と思しき水面が陽光を受けてキラキラ反射し、高層住宅や平屋根の工場と思しき建物が眼下一面に広がっている。


 市内レストランで昼食、カラオケ完備

 その後、市内のレストランに案内され社長の出迎えを受ける。個室にはカラオケが用意してあり、食事の合間にカラオケが同時進行。それにしても、中国の男性の歌は、腹の底から歌う歌が好まれるのか、話し合いの際でも喧嘩しているのではないかと疑うほど、大声を張り上げる。今の流行の歌は「東方の真珠」という歌。東方は香港のことで恋歌だとか、5000年の恋がどうとかこうとか、その歌の詩のスケールの大きさには驚かされる。


 北京に戻って、今宵は展示会の打ち上げ。通訳の女性に頼んで北海公園の中にある元清朝皇室の御膳房だった「仿膳飯荘」(Fangshan Restaurant)での「正宗満漢全席」を体験することにしている。

   
(左)昼間の北海公園(71haの半分以上は池)  (右)公園見取り図、レストランは島の中にある

 北海公園は故宮の西北に位置し、10世紀に建造された総面積71万㎡の美しい島と宮殿の公園で、金・元・明・清代を通じ、霊山(瓊華島)、秀水(北海)、白塔で知られる王室御園だった場所である。

 
(左)お店の入口(HPより)                (右)我々の歓迎の踊り

         
(左)満漢全席のテーブル                    (右)お品書き 全12品

 
(左)こんな料理が 李鵬の通訳も務める通訳さんのお蔭で内国人予算で (右)記念撮影

 「仿膳飯荘」は、1925年創業の西太后の料理人の流れを汲むレストラン。入口で清朝時代の踊りで迎えられ、煌びやかな一室で円卓を囲み、華麗な飾りつけの宮廷料理、全12品を味わう。良く考えれば非常にショウアップされたレストランだ。

 こんなキンキラキンのテーブルも。

 これも改革開放路線の成せる技か?


コメント
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