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旅行記、世相独言

世にも不思議な物語   鳥居が私を呼ぶ (宝山寺と朝護孫子寺)

2019年12月09日 20時57分48秒 | コーヒーブレイク
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世にも不思議な物語  鳥居が私を呼ぶ(宝山寺と朝護孫子寺)


 私の祖父は、明治時代大阪船場で舶来のネクタイ問屋を営んでいました。丁稚も数人抱えるそれなりの商売が出来ていたようです。
 そんな祖父は商売繁盛を願って仲間の商人たちと生駒・宝山寺に大鳥居を寄進しています。生駒山に登るケーブルカーの始発駅の名前は鳥居前駅ですが、今はモータリゼーションの時代になって大鳥居は山の上の宝山寺の入口に移動しています。移動の連絡が我が家にあり、幼少の私は父に連れられて見に行ったのを覚えています。

        
生駒山に登るケーブルカーの始発駅「鳥居前」(鳥居は上に移設され名前だけ残っています)     

  
宝山寺参道側から見た大鳥居       寺院側から見た大鳥居       寄進者の名前が彫られています   

 10年前の2009年、久々に宝山寺を訪ね、祖父と再会(刻まれた名前と)し、おりしも「大和十三佛」を巡り御朱印集めをする催しが始まっていたので、奈良は嫁の実家があり度々来るので宝山寺で御朱印集めをスタートさせました。

        
「大和十三佛」の御朱印帳(A4版)    全部整いましたがその最初と最後に・・・     

 その後、奈良に行くたびにゆっくりと少しづつ御朱印を集め、なんと8年もかかって最後の信貴山・朝護孫子寺で満願を迎えました。
その日、駐車場に車を置いて初めて訪れる広大な寺院に圧倒されながら、1時間ほどかけてお参りをし御朱印をいただき、元来た駐車場の方に向かっていました。

        
信貴山の朝護孫子寺(虎で有名です)    境内案内図(現在地と書いた下に駐車場、通り過ぎると鳥居や仁王門が)

 しかし、どこかで間違ったらしく来た時と異なる周囲の風景に気づきました。そこには古い鳥居や仁王門があり、旧参道の方に歩いていたようです。仁王門の方に引き返し、上の石が落ちたらしい古い鳥居を通り過ぎようとした時、何気なく見た鳥居に刻まれた名に我が目を疑いました。
 なんと、なんと! そこにあったのは祖父の名前でした。祖父が私を引き寄せたとしか思えない偶然ですが、私は信貴山にも寄進していたとは聞いていませんでしたので、ほんとうにビックリ!でした。

        
旧参道の立派な仁王門           旧参道の鳥居(上の石が落ちたのか?) 

        
明治43年の寄進のようです      そして、見てビックリ!祖父の名が!!!

 生駒山宝山寺に寄進した鳥居は、大正5年9月の建立ですが、この信貴山朝護孫子寺の鳥居はお寺に問い合わせるとそれより古く、明治43年に朝護孫子寺成福院に寄進されている旨、連絡を受けました。今は参道がスカイライン側に変わっていますが、当時はここがメインの参道だったようで、今でもいろんなお店があります。

 祖父が、これもあるから知っておけ!と孫の私に伝えたかったのでしょうか?。それにしても、大和十三佛を巡る御朱印集めの最初と最後で、祖父の姿を見るとは、本当に不思議な出来事でした。