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旅行記、世相独言

聖母マリアとパムッカレ-エーゲ海沿岸④-(異文化体験31 東西文明十字路の旅5)

2013年07月06日 18時28分16秒 | 異文化体験_中・東欧
(写真はクリックで拡大します)

聖母マリアとパムッカレ -エーゲ海沿岸④- 98.08.20

   「綿の宮殿」を意味するパムッカレ

 古代遺跡群からおよそ7km離れたブルブル山に聖母マリアの家がある。

 ブルブル山「聖母マリアの家」の入場チケット

 マリア最後の場所は謎とされていたが、18世紀の終わり頃、ある尼僧が天啓を受けエフェスの石造りの家の様子を語りだし、聖職者達による家探しの末にこの家が見つかったという。尼僧の話ではマリアは64歳で亡くなり、過去何人かのローマ法王もここを訪ねミサを行っている。

         
  (左)マリアの家                             (右)家の最奥にあるマリア像

 聖母マリアの家の入口横の郵便局から手紙を出すと独特のマリアを模ったスタンプを押してくれるというので、自宅宛に絵葉書を送ってみた。押されたスタンプがこれ。

 スタンプの下がセルチュク局印 上がMERYEMANA(聖母マリア) 98年8月20日



 さあ、次は楽しみの世界遺産パムッカレの石灰棚とヒエラポリスだ。正直、もう遺跡は十分堪能した!!

 パムッカレとは、トルコ語で「綿の宮殿」という意味で、古代から良質の綿花の生産地であった。丘全体を覆う真っ白な石灰棚は隣接する「聖なる都市・ヒエラポリス」と共に複合遺産として世界遺産に登録されている。

 ヒエラポリスはベルガモン王エウメネスによって紀元前2世紀頃に建造され、当時の遺跡としては最も内陸部に存在することが知られている。ここの遺跡にはネクロポリスと呼ばれる1000を超す墓があり、古代共同墓地としては最大級のもの。墓の様式もヘレニズムからビザンチンのものまで多種多様。そのことが印象に残った遺跡であった。

        
(左)ヒエラポリスのメインストリート                 (右)ネクロポリス(古代共同墓地) 今より立派?


 この遺跡のすぐ横に今回旅行のハイライトの一つ、楽しみにしていた「石灰棚」がある。

 世界遺産の「石灰棚」

 この不思議な景観は、古代、炭酸カルシウムを含む地下水が地熱等で温められ、湧き出て温泉となり沈殿した石灰が固まって、あたかも純白の棚田のような景観を作り出したと言われている。石灰質を多く含む温泉の沈殿物(石灰華)が生成することは、日本では長野県の白骨温泉等で知られている。
 棚田のようになっているのは、漂流してきた枝などに石灰がたまり、それが長い時間をかけて堤を形成するため。このような景観が約200mの高さに渡って形成されている。

         
(左)棚田の中はぬるま湯状態        (右)刻観光客が引上げる時間帯。真っ白な棚田に夕日が映える


 遠くから見れば白い雪山、近くに来ると真っ白な幾重にも重なる棚田に青い温泉(と言ってもぬるま湯であるが)をたたえている姿は幻想的である。加えて夕刻訪れた我々には夕日が更に幻想的景観を盛り上げてくれる。

 しかしながら、最近の開発ラッシュでパムッカレ村の宿泊施設等が温泉を引き込むため、この温泉は涸れつつあるとも言う。このため棚田に湯を流すのは夏季日中のみ、更に棚田景観保護のため一度は97年5月から進入禁止となった。しかし、観光シーズン到来の7月には一部解除されたりと観光立国トルコとしては悩ましい判断を迫られている。


今日のホテルは、棚田近くのリュカス・リバーホテル。

   
  今宵の宿舎リュカス・リバーホテル(左)とその屋内プール(右)

 室内温泉プールもあって就寝前のひと時、日頃の運動不足を解消する。


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