森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

一個人

2007年08月15日 15時00分05秒 | 過去ログ
昨日は高校の同窓会。
実に高校卒業以来、はじめての同窓会であった。
クラス単位ではちょこちょこされていたようだったが、全体(全体といっても連絡がついた部分であるが)でははじめて、19年ぶりである。

自分たちは第二次ベビーブームのさきがけの世代で、クラスは1学年11クラスもあった。だから、卒業アルバムを見るとその大半は自分の記憶からは消されていた。

記憶は使わないと消去されてしまう。
このあたりが、エピソードと意味の違いだろう。

しかし、もう50代に見えるものや、おまえいったい今何をしているの?なんて者もいるので、面白かった。19年間みんないろんな生き方、人との出会い方をしてきたのだろう。

面白いもので、セラピストになったときぐらいは高校の友人と会って話すこと(昔話に花が咲く)が楽しかったが、だんだん、共通の話題がなくなり、みんな距離が出てくる。そして、10年もすれば、まさに10年一昔でほとんど会わなくなった。

だが、今回はそれを越えた感じで、昔話に花がさくではなく、近況を語り合い、お互いに紳士淑女となり、大人な会話があちらこちらで咲いていたようだ。

二次会、三次会へとかなりの人間が流れ、名残惜しそうな感じだった。
企画したものとしては、しらけてバラバラになるかと思えば、そんな感じもない。
みんな成長したのだろう(一部には変わらないものもいたが)。
どっちがいいかはわからない。
変わるもの、変わらないもの、それがシステムなんだろう。
脳細胞と同じである。

最近、キリンラガービール(たっすいがはいかんで高知の消費は日本一)の宣伝にYUMINGの「卒業写真(卒業式の退場曲だった、時代は長渕の乾杯ブームだったが)」「あの日に帰りたい」がかかる。

泣きながらちぎった写真を 手のひらにつなげてみるの
悩みなききのうのほほえみ わけもなく憎らしいのよ
青春の後ろ姿を 人はみな忘れてしまう
あの頃の私にもどって あなたに会いたい

の歌詞を聴いている親父、おば様たちの目がとっても印象的な宣伝である。

ユーミン(荒井由美時代)の曲には実に色があるし、情景が浮かび上がる。
以前、若い時代は、竹内まりややユーミンの曲はいい曲だと思っても、その程度で、映像が浮かび上がるなんてことはなかった。

たぶん、耳でしか聞いていなかったんだろう。

しかし、自らの経験が豊富になることで、それが耳だけでなく、目、体も含まれ、私にしかない情景が浮かぶ。一人称的なものであるし、こころで音楽を聴いていることになろう。

荒井由美の天才ぶりを感じるし、自分も大人になり、そして他人を思いやることができるんだな、そしてセンチメンタルになる年代に入りつつあるんだと感じた。

しかし、中央フリーウェイの後ろの音の出し方は、プロというしかない。
ベースラインは最高やな。


高校時代の異性と出会うと、お互いに成長したことで、尊敬できる自分がいる。
若いときの「ほんとう」と「うそ」のあいだを行きつ戻りつつする「ことば」ではないのだ。

久しぶりに何もないただの「もりおか しゅう」という自分に出会えた。

それをしてくれる友人には感謝している。