blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

春本番

2023-03-18 19:52:50 | 休日
※写真は七尾城址(石川県七尾市)からの七尾市街の展望。

今年は暖かくなるのがたいそう早く、いつもなら3月の真ん中あたりで発症する花粉症もずいぶん早めに襲ってきた。
できる対策はしているが、敷地内によりによって大きな杉の木が数本あるという最悪の環境下で今年は相当苦労している。
春本番となってきたのはいいが、これだけは何ともしようもなく非常に悩ましい。

さて、その新しい現場に入って早いものでひと月が過ぎた。
相手にする製品の種別が多く文字通りの細かい作業も加わる中でも、幸いにして大きな事故やミスは出していない。
現場は違っても作業の基本は同じで、以前と同じようにやって間違っていないのだから周りがどう言ってこようとそこは譲る気はない。
むしろ、言葉にこそ出さないが「よくそれで間違わないな」と思うような他人の無手勝流の進め方に遭遇して、半分は言葉を失っている現状である。
ただ、以前の現場のように巧みに(あるいはバレバレで)仕事から逃げる人間がいないことは救いだ。
毎日の話題がその日の弁当のメニューと下ネタと自慢にもならない自慢話の繰り返しで私にとってはノイズそのものの環境ではあるのだが、さしあたりあからさまに仕事をしない人間がいないだけマシである。

仕事をしない、と言えば、我が社の正社員様たちは本当に仕事をしない。
イザという時にさせればできる実力があるのかと言うとこれもかなり怪しい。
我が現場の監督者である若い社員君は、私からフォークリフトを習っておきながら、危険な扱いを注意しても「いいんですよ」と逆ギレするなどプライドだけはエベレストよりも高い。
たかがザイゴ(富山だけではないかもしれないが田舎の意)の会社の正社員であるというだけで特権意識のようなものすらあるようだから、3月からやってきたシルバー人材センター経由の年長の作業者にも腕組みをしながら仕事を教えるということになってしまう。
彼の上司である現場リーダー氏も態度としては同じなので、上が上だから下もそうなるわけである。

実地や現場は正社員以外、管理監督は正社員という構図は今に始まったことでもないし、業種によるわけでもない。
小売りの店舗の店長なら4つか5つも店舗を任され、各店舗の帳簿をチェックするなどに精いっぱいで現場の作業など覚えるヒマはない。
そういう体制にすれば儲かることを各企業が覚えてしまった以上、このような構図が簡単に変わるとも思えない。

正規非正規分け隔てなくと口では言いながら、非正規に対して異常なまでに横柄、尊大、居丈高な態度を取っても、場合によっては腕力により実害を及ぼしても我が社の正社員様たちは何の処分もお咎めも受けない。
社員どうしはミスが起きても「まあまあ」で終わるが、非正規がミスを出せばこれでもかとばかりに詰められる。
どこに問題があるのか、本当のところは分からないが、どうも「人間がやっている以上ミスは出るものだ」という認識が極端に薄い、裏返せばミスを極度に恐れる雰囲気が今はあるのではないか。
そうでなければ、本来現場をより良い方向に持っていくべき立場の人間が、どう見てもミスにしか映らない出来事をかたくなに否定したり、時には隠ぺいしようとしたりはしない。
日頃ふんぞり返って我々に接している分、自分たちがミスを犯した時のバツの悪さがあからさまに態度に出てしまうのは、見ていて哀れとしか言いようがない。

我が現場リーダー氏は二言目には「ミスが起きたら俺たちがサビ残で詰められる」と口にする。
ミスが起きて原因を追究されるのは当たり前の話であって、当事者に代わって責めを負うのはその分「もらっている」以上仕方がないことである。
原因究明の時間がサビ残になることは明らかに法令違反であって、これはミスとは次元が異なるから会社に意見すればいい。
サビ残で詰められるから現場はどうかミスだけは出さないでくれという態度で接してこられると現場には逆に圧力となる。
無用な圧力は無用なミスを生み、そのたびに現場はお説教に時間を取られる。
管理側の社員様と作業側の非正規の面々との溝は深まる一方となり、まさに負のループそのものとなる。

我が社の社員様が仕事をしないのは、ひとえに自分たちがまかり間違ってもミスの当事者にはなりたくないという逃げの気持ちからであろう。
ミスを恐れて現場に出なければ確かにミスはしないだろうが、それでは甲子園のスタンドでメガホンを振っている万年補欠の選手と同じだ。
それでも今の段階で記録に残っている直近のミスは、とある祝日で非正規メンバー抜きで作業した日のものである。
日頃慣れている非正規のメンバー抜きでは精度の高い仕事ができないことが如実に現れているのだから、非正規の多能化などとほざく前にまずは自分たちのレベルを上げる努力をすべきであり、それがイヤだと言うなら少なくとも管理者の地位から降りていただくか、いっそのこと会社から去っていただくのがいいのだろうと思う。

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